発智論(ほっちろん)
『阿毘達磨発智論』(あびだつま ほっちろん)は説一切有部の論蔵(ろんぞう)におさめられる論書である。迦多衍尼子(カーティヤーヤニープトラ)が著したとされる。
本書は、雑・結・智・業・大種・根・定・見の八蘊で構成され、説一切有部の教学を発展させた書である。古来より、『集異門足論』(しゅういもんそくろん)・『法蘊足論』(ほううんそくろん・『施設論』(せせつろん)・『識身足論』(しきしんそくろん)・『界身足論』(かいしんそくろん)・『品類足論』(ほんるいそくろん)の「六足論」に対して「身論」(しんろん)と呼ばれてきた。本書ではじめて六因説や胎生学的な十二縁起説の解釈が明確に詳細に論じられた。
本書には玄奘訳二十巻の他に、僧伽提婆(そうぎゃだいば)・竺仏念(じくぶつねん)共訳『阿毘曇八犍度論』(あびどんはちけんどろん)三十巻がある。
派生・影響
本書に対する膨大な注釈が『阿毘達磨大毘婆沙論』(あびだつま だいびばしゃろん)である。