唯識三十頌(ゆいしきさんじゅうじゅ)
唯識三十頌(ゆいしきさんじゅうじゅ)は、無着(むぢゃく、アサンガ)の弟の世親が著した唯識の思想を要約した30の偈頌(げじゅ)で、玄奘が訳したもの。
なお、このほかに漢訳されたものに、真諦(しんだい)が訳した「転識論」(てんじきろん)がある。
その後、護法が(ごほう、ダルマパーラ)この唯識三十頌を注釈して玄奘が訳した『成唯識論』(じょうゆいしきろん)は、法相宗(唯識宗)の重要な論典のひとつとなった。
<唯識三十頌の一節>
煩悩謂貪瞋 癡慢疑悪見
随煩悩謂忿 恨覆悩嫉慳
誑諂与害驕 無慚及無愧
掉挙与昏沈 不信併懈怠
放逸及失念 散亂不正知
不定謂悔眠 尋伺二各二