法身普賢(ほっしんふげん)



法身普賢(ほっしんふげん)は、後期密教における最高的存在で、全てのの父母であり、根源である究極の存在。法身普賢は如来の姿をとり、結跏趺坐(けっかふざ)の姿で、后(きさき)である普賢母と歓喜(対面座位)している。普賢王如来とも呼ばれる。

中期密教において、大日如来(法身仏)が密教の教主として編成された。大日如来は五仏(五智如来)の中心的存在ではあるが、後期密教ではそれを超える根源的な存在(本初仏)が大悟された。



本初仏とは、一切の仏が存在する前の原始仏であり、全ての仏の父母とみなされる。本初仏は、仏性そのものであって、具体的な形相をとらないが、方便として上記のような姿でタンカなどに描写される。

チベット仏教(後期密教)では、金剛薩埵(サッタ)、金剛総持(こんごうそうじ)とともに本初仏として尊崇される。これらの三尊のうち、どれを特に尊崇するかは、チベット仏教の宗派によって異なる。法身普賢はニンマ派で、金剛総持はカギュ派で、本初仏として尊崇される。