大師堂(だいしどう)



大師堂(だいしどう)は、日本における仏堂の呼称の1つで、大師号(だいしごう)を贈られた僧を礼拝の対象として祀るものである。「大師堂」と称する仏堂には、真言宗開祖である空海(弘法大師)(774年 - 835年)を祀るものが多いが、円珍えんちん・智証大師)、良源りょうげん・慈恵大師、元三大師)を祀る堂で「大師堂」と称するものもある。





四国八十八箇所における大師堂

四国八十八箇所の寺には、空海を祀る大師堂が必ずあり、遍路の際には本堂と共に大師堂にも参拝することがならわしとなっている。参拝には以下のような決まった作法がある。

山門前で一礼、水屋(みずや)で、手を洗い口をすすいだ後、本堂に向かい線香ローソクをあげ、般若心経写経(しゃきょう)である白札を奉納し、般若心経を唱える。次に大師堂に向かい、同じことを繰り返す。その後に納経所納経帖おいずる掛軸などに納経朱印をしてもらう。最後に山門を出る際に再び、一礼をする。




著名な大師堂の例

§ 四国八十八箇所各寺院の大師堂

§ 善通寺(ぜんつうじ)御影堂(大師堂)(香川県善通寺市) - 空海生誕の場所。

§ 東寺大師堂(御影堂)(京都府京都市) - 国宝

§ 園城寺(おんじょうじ)(三井寺)大師堂(滋賀県大津市) - 重要文化財。円珍(智証大師)像を安置する。桃山時代1598年慶長3年)建造。宝形造、桧皮葺

§ 根来寺(ねごろじ)大師堂(和歌山県岩出市) - 重要文化財。大塔とともに豊臣秀吉の焼き討ちをまぬがれた。1391年(明徳2年)頃の建立と推定されている。

§ 大蔵寺(おおくらじ)大師堂(奈良県宇陀市) - 重要文化財。鎌倉時代建築。宝形造、柿葺きで、大師堂としては日本最古。

§ 安楽寿院大師堂 - 1596年(慶長元年)の地震で倒壊した新御塔の材を用い再建された。