三門(さんもん)



三門さんもん)とは寺院の正面に配置される門のことである。三解脱門さんげだつもん)とも呼ばれる。



三門は空門(くうもん)・無相門(むそうもん)・無願門(むがんもん)の三境地を経て仏国土(ぶっこくど)に至る門、三解脱門さんげだつもん)を表すとされる。

建築史的見解では、初期の寺院の門構えは南面する正門、東西二つの副門から構成されており、これを称して三門と呼んだという。時代が下ると左右に脇門が付属する大門の形となり、さらに大門のみとなったが、三門の呼び方は残ったとされる。



三門の名称の由来は、

§ 貪(とん)瞋(しん)痴(ち)の三煩を解脱する境界の門

§ 声門縁覚菩薩の三乗が通る門


などの説がある。



三門には扉を設けないものがあるが、これは一切衆生が仏門に入る事を拒まないの大慈悲心を表すものといわれる。山門(さんもん)とは別に三門を構える例もある。