書院造(しょいんづくり)
書院造(しょいんづくり)は、日本の室町時代中期以降に成立した住宅の様式である。その後の和風住宅は、広い意味で書院造の強い影響を受けている。
書院造は、一般的には、床の間などのある座敷を指すことがあるが、厳密には、武家住宅の建物全体の様式のことである。しかし、建築様式としての定義はまだ定まってはいない。
藤田盟児(ふじた めいじ、広島国際大学教授)は著作において幾つかの説から、建物の内部を引き戸の建具で幾つかに仕切り、床には畳を敷いて、天井を張り、床の間(または押板)、違い棚、付書院などの座敷飾りを客間に備えて、客を迎え入れるところと、主人とその家族が普段の生活をするところに分けられているもの、構造としては、角柱に貫や桁、長押などの角材を用いた軸組構造のものと解釈している。
今日の宴席では、しばしば床の間の位置によって「上座(かみざ)」「下座(しもざ)」などと座席位置が決められることがあるが、これは床の間との位置関係が身分序列の確認を促す役割を果たしていたことを示していると言えよう。
書院、押板(床の間の前身)、違い棚は、中世段階では書画、置物などを飾る場所として造られてきた。