目連(もくれん)



目連(もくれん、サンスクリット:maudgalyaayana、音写:目犍連、目健(腱)連、訳:菜茯根、采叔氏、讃誦、マウドゥガリヤーヤナモッガラーナなど)は、釈迦の内弟子の一人。弟子中で神通(じんずう)第一といわれる。正しくは目犍連(もくけんれん)であるが、略して目連といわれる。また十大弟子の一人として数えられ、筆頭だったので、Mahaa(音写:摩訶、訳:大)をつけて摩訶目犍連大目犍連などとも記される。





目連と盂蘭盆



下記に記す盂蘭盆(うらぼん)の逸話により、目連が日本におけるお盆及び盆踊りなどの行事の創始者として受け取られている。


目連がある日、先に亡くなった実母である青提女(しょうだいにょ)天上界に生まれ変わっているかを確認すべく、母の居場所を天眼(てんげん。五眼(ごげん)の一。すべてを見通すことのできる眼。で観察したところ、青提女は天上界どころか餓鬼界に堕し地獄のような逆さ吊りの責め苦に遭っていた。驚いて供物を捧げたところ供物は炎を上げて燃え尽きてしまい、困り果てた目連は釈迦に相談する。釈迦は亡者救済の秘法(一説には施餓鬼(せがき)の秘法)を目連に伝授し、目連は教えに従ってを施すとたちまちのうちに母親は地獄から浮かび上がり、歓喜の舞を踊りながら昇天した。


しかしながら、釈迦の当時の教説には極楽浄土や地獄といった概念は登場していなかった。よって、この逸話は中国で偽経(ぎきょう)である『盂蘭盆経(うらぼんきょう)が成立した時にできあがったものである。ただ、民間伝承の世界では、現在行われる盆踊りは目連の母親が天へ昇る姿を象形したものであるとされている。