無色界(むしきかい)


無色界(むしきかい、ārūpya-dhātu)は、天部の最高部に位置し三界(さんがい)の一つである。欲望も物質的条件も超越し、ただ精神作用にのみ住む世界であり、禅定(ぜんじょう)に住している世界。4つの禅定があるので四禅定という。




受想行識(じゅそうぎょうしき)の四蘊(しうん)のみより成る世界。無色(むしき)と名づくのは、説一切有部(せついっさいうぶ)では色がまったく無いからといい、大衆部(だいしゅぶ)化地部(けじぶ)などは麁色(そしき、破損)なき所謂とし、経部(きょうぶ)では色の起るを妨げずをいうからといわれる。上から非想非非想処・無所有処・識無辺処・空無辺処の4つがある。



分類


非有想非無想処(ひうそうひむそうしょ)

 (非想非非想処(ひそうひひそうしょ)、有頂天とも)

無色界の最高の天。何物も無しと思惟する定を超えて極めて昧劣な想のみが存在する定。有(う)における天界の最上部であるため有頂天(うちょうてん)とも言う。



無所有処(むしょうしょ)

無色界の第3天。何物も無しと思惟する定。



色無辺処(しきむへんしょ)

無色界の第2天。識は無限大であると思惟する定。



空無辺処(くうむへんしょ)

無色界の第1天。定を抑える一切の想を滅し、空間が無限大であると思惟する定。