告別式(こくべつしき)
告別式(こくべつしき)とは葬送(そうそう)において、葬儀の後、あるいは葬儀の代わりに行われる式で、故人に別れを告げ、参列者・社会に挨拶をする式。
歴史
1901年(明治34年)、中江兆民の葬儀の際に行われたのが最初とされる。これは中江が「死んだらすぐに火葬場に送って荼毘にしろ」と遺言したために葬式が行われなかったためで、彼の死を悼んだ人たちによって青山葬会場(青山墓地・東京都港区南青山)にて宗教儀礼による葬儀の代わりとして無宗教葬として行われた。
葬儀の後に続けて行われるようになったのは、昭和に入ってからである。
一般的には通夜の後(翌日の昼)、葬儀の後、出棺(しゅっかん)の前に執り行われる。秋田市などの東北地方、九州地方の一部地域では火葬が先になるところもある。
宗教儀礼である葬儀では僧侶が主導するのに対し、告別式は、喪主が主導する。
行われる内容としては、告辞(こくじ)や弔歌(ちょうか)の朗読や、弔電(ちょうでん)の披露、参列者による故人への告別(葬儀の代わりに行った場合)などが行われる。
通夜の参列者が遺族が中心であるのに対し、故人からの社会に対する別れの挨拶であるため、故人の死を悼む者であれば誰でも参列して良い。
2010年現在では、喪服や喪服に準じる服装(黒を基調とする物。学生は黒くなくても学校の制服など)を着用することが慣例とされ、華美な服装や、光り物などとも呼ばれる装身具、派手な美粧はタブーとする。しかしながら、“喪服ではなく平服にておいで頂きたく”と断る事例もある。