遺骨(いこつ)


遺骨(いこつ)は、死者ののこと。白骨化した遺体火葬によって骨だけと化した物故者の身体を指す。一体(たい)、もしくは一柱(はしら)と数えるのが通例。



焼骨・納骨

通常の葬儀の場合、告別式の後遺体火葬場において荼毘(火葬)に付され、遺骨は親族などにより骨壷に収められる(骨揚げ・収骨)。骨壷に収められた遺骨は、自宅に安置(後飾り壇など)または寺院に預けられ、墓地または納骨堂があれば仏式の場合は四十九日、神式の場合は五十日祭までに墓地(納骨堂)に納める(納骨)されるのが通例であるが、火葬した当日に墓地(または納骨堂)に埋葬することもある。

墓相式の納骨では、納骨堂に赤土を敷き込み、骨壷より納骨袋に移し替え納骨するか、遺骨のまま納骨することが吉相とされている。




分骨

1人の故人の遺骨を2ヶ所以上の異なる場所に分けて納骨することを分骨(ぶんこつ)という。なお、場合によっては分骨ごとの埋葬許可書が必要となることもあり、また、一度納骨された遺骨を分骨する場合は関係者(遺族・墓地の管理者など)の立会いが必要となる。

分骨をする場合は、メインの骨壺から分骨用に用意された小さい骨壺に移すのが通例となっている。勿論骨揚げの際に分ける場合もある(この場合は小さい骨壺には喉仏の骨が入る事が多い)。



利用法

遺骨は古くから「骨を拾う」(死者を火葬し、骨揚げすること)などの慣用句にも見られるように、死者の形見の一つとして大切にされてきた。そのために遺骨争いなども起こり、遺骨をお墓の中に埋めたりもした。現在では遺骨はDNA判定の貴重な素材として使用され、また、遺骨を粉末状にした遺灰をケイ素などに混ぜ込み、死者の遺骨入りのペンダントトップなどに加工されたり、特異な例としては故人の生前の意志として自分の遺灰で自分の大好きだったフリスビーを作らせるなど新しい多様な利用法が生まれてきている。