色界(しきかい)

色界(しきかい)は三界の一つ。色天(しきてん)、色行天(しきぎょうてん)ともいう。


物質の義、あるいは変礙(へんげ)の義。欲望を離れた清浄な物質の世界。無色界の下にあり、欲界の上にある世界。色界に住む天人は、食欲と淫欲を断じ、男女の区別がなく、光明を食とするという。しかし情欲と色欲はある。色界の諸天は、世間の禅定並びに上品の十善を修してこの報を感じるという。色界には、初禅二禅三禅四禅の四地があり、最上の色究竟天を過ぎると無色界に入る。天界28天に属す。

大乗仏教(特に唯識)は、上座部と同じく18天とするが、薩婆多部は16天、経部は17天とするなど、数には諸説ある。


なお、上位から述べると次の通りになる。

1 色究竟天(しきくきょうてん)

2 善見天(ぜんけんてん)

3 善現天(ぜんげんてん)

4 無熱天(むねつてん)

5 無煩天(むぼんてん)

6 廣果天(こうかてん、広果天とも)

7 無想天むそうてん、薩婆多・経の2部は、廣果天の中に摂す)

8 福生天(ふくしょうてん)

9 無雲天(むうんてん)

10 遍照天(へんじょうてん)

11 無量浄天(むりょうじょうてん)

12 少浄天(しょうじょうてん)

13 光音天(こうおんてん)

14 無量光天(むりょうこうてん)

15 少光天(しょうこうてん)

16 大梵天(だいぼんてん)

17 梵輔天(ぼんほてん)

18 梵衆天(ぼんしゅうてん)

上記の天部を、四禅から初禅に振り分けると以下の通りとなる。

§ 四禅

色究竟天・善見天・善現天・無熱天・無煩天(これを五浄居天と称す)と廣果天・福生天・無雲天


§ 三禅

遍照天・無量浄天・少浄天


・ 二禅


光音天・無量光天・少光天


§ 初禅

大梵天・梵輔天・梵衆天