通信『こるむ』 第10号 ・ 下 | チャララ☆

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ウリハッキョとウリハッキョを通して育つ心と絆の話

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ハッキョから『こるむ』(第10号)が配布されました。


『こるむ』とは在特会らによる朝鮮学校に対する襲撃事件裁判(略称:朝鮮学校襲撃事件裁判)を
支援する会通信...です新聞
~大人たちの責任ある
【歩み】(걸음-こるむ)が、子どもたちの未来をはぐくむ【こやし】(거름-こるむ)
となる為に~と付けられたタイトルです足跡

昨日に引き続き、この中で紹介された龍谷大学法科大学院教員 金尚均(キム・サンギュン)さんの
裁判報告支援集会でのお話を掲載しますクローバー

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在特会裁判をみる目とヘイトクライム
                         支える会共同代表、龍谷大学法科大学院教員 金尚均

1.襲撃事件から2年と4ヶ月を経て、2.朝鮮学校に通う子どもの親として

(・・・続き)
3.法律の研究者として

2つ目の、研究者としてということですが、あの彼らが学校ならびに学校の子どもたち、そして私たち
に投げかけた表現、差別発言に関して、私自身が法律の勉強をしてきて一番無力だったなと思うの
が、あれが犯罪ではないということなんですね。刑事裁判ではあくまで学校法人の朝鮮学園と京都
朝鮮第一初級学校、いわゆる「法人」としての「人」に向けられた、侮辱罪と威力業務妨害罪で、4人
の被告は刑事裁判で有罪判決を受けたのです。ここで注意しないといけないのは、侮辱罪というの
は刑法第231条にある罪なんですが、日本の刑法の犯罪では一番軽い罪なんです。窃盗罪でも一
番上の罪が10年の刑を予定されている。それに比べると、侮辱罪は拘留・科料しか科せられない。
非常に軽く評価されている犯罪なんです。
何度も言いませんけれども、「キムチくさい」とか「スパイ養成学校」と言われたことが、具体的には
犯罪にならないことに、私自身としては、漠然とした無力感と漠然とした疑問を抱きました。なぜこれ
が犯罪ではないのかと。これについて、「ヘイトクライム」、とりわけ差別発言を刑法なり他の法律で
処罰する法律をつくっている国々がじつはあるということが、だんだんとわかってきました。
ここで、単に個人に対して名誉毀損する発言や侮辱する発言を問題にするだけでなく、京都朝鮮第
一初級学校に通っている子どもたち、そして先生たちに対して直接向けられたあのような差別発言
では、具体的には何が害されているのか、ということを考えないといけないと思います。
それに関しましては、この裁判では、被告の弁護士が毛利透さんという憲法の先生の議論を出して
います。そこでは、「表現の自由」もしくは「公正な言論」というようなことが言われています。毛利先
生によれば表現の自由とはなぜ必要かというと、日本社会は民主主義のもと、民主政治を国の根
本的な基盤にしている。この根本的な基盤をより実質化ないしは保障するものとしてあるのが、「表
現の自由」なのだ。だから、表現の自由と言うのは、日本社会が民主主義社会である限り、絶対的
に守らなければならない、と毛利先生は言われているわけですね。そこで被告の弁護士も、被告の
彼らが言った差別発言も民主主義の上で根本的に重要な「表現の自由」の一環なんだと述べてい
ます。私は、それを逆手に取るようなかたちでヘイトスピーチを処罰するべきなのではないかと思い
ます。
彼らの差別発言は、何を、朝鮮学校の子どもたちならびに先生たちに対して傷つけたかというと、
朝鮮人・韓国人とうかたちで、あるひとつの民族に属する人たちの尊厳、もっと言えば、この社会に
おける平等性を害したのだと思います。まぜ、この平等性というものを害したか、平等性を害すること
が問題なのかというと、先ほどの毛利先生が言うように、民主政治の基本、根本的な基盤、ないしは
それを保障するするのが「表現の自由」です。また、そのような民主政治の根本基盤であるもうひとつ
のものが、「平等」「法の下の平等」だと思うんですね。まさにそのような「表現の自由」に名を借りて
社会における平等性を害するものが、彼らの差別発言の根本的な問題だと思います。
このように、単に個人だけでなく、集団ないしはある民族に属する人々に対して向けられた表現行為、
差別発言に対しては、まさにそれは、社会における平等性、簡単に言えば、「人を人としてみない」と
ころに大きな問題がある。それは個人だけでなく集団に向けられた場合にも言えると考えます。こう
いった点に私は、在特会の人びとが行ったヘイトスピーチの問題性を感じています。

4一人の在日朝鮮人として

最後に、一人の在日朝鮮人としてこの事件をどうみるか。現在、大阪の橋下市長が大阪府にある朝
鮮学校の補助金をすべて止めています。その根本的な理由に、「朝鮮民主主義人民共和国が不法
国家であるから、それとおつきあいしている朝鮮総連の傘下にある朝鮮学校にはお金を渡しません
よ」と言っています。ここで問題なのは、「不法国家」という概念なんですね。共和国は「不法国家」な
のか、ということです。
これはどういうところから話が出てきたのか。橋下さんがわかっているかどうかわかりませんけれども、
ドイツが再統一しましたよね。そのとき旧西側から、「過去の清算をしないといけない」という話になっ
たんですね。昔の秘密警察の人びとや、当時の首相であったホーネッカーに対する処罰という問題が
ありました。
とりわけ一番現実に問題になったのは、東と西の国境がありますよね。そこに国境の警備兵の人たち
がいます。そして、東ドイツから西ドイツに脱出しようとする人がたくさんいました。東から西へ脱出しよ
うとした人たちを警備兵たちは、服や体を引っ張ったり、ないしは拳銃で撃つ、射殺するということがあ
ったんですね。
当時の東ドイツでは国民が西に脱出する、これは国家的には一番重い犯罪とみなされていました。警
備兵の人は、逃げないように暴行したり、ひどいときにはピストルで撃つということを行いました。これは
当時の東ドイツの法律では「適法」だったのです。むしろそれは、勲章ものだったのです。それが、ドイ
ツが再統一してから、警備兵の人たちが殺人罪で刑事告訴されるに至りました。それで実際に殺人罪
で有罪判決を受けたのです。
警備兵たちは職務の一環として行ったのに、なぜ殺人罪に問われるのか。そのとき、ドイツの裁判所
は非常に困りました。そこで出てきたのが、当時の東ドイツそのものが、当時の西ドイツから見ると「不
法な国家」であった。そもそも正当性を持つ国家ではなくて不法な国家であったから、その不法な国家
で作られた法律や制度はそもそも無効、不法。だから東ドイツの法律で作られた警備兵が逃げ出す人
たちをピストルで銃殺するという行為そのものが不法なんですよ、という理屈をつけたんです。そこから
出てきた概念が東ドイツに対する「不法国家」というものです。
では、朝鮮民主主義人民共和国は不法国家なのか。この文脈から言うと、違う。もうひとつ、日朝交渉
などの議論のなかで、「日朝平壌宣言の精神に戻って議論を始めなさい」ということが、よく言われます。
なぜそのようなことが言われるのか書かれていますけれども、まず拉致問題を認めることとそれに対し
て謝罪があってから、この宣言が出たんですね。だから、まず「不法国家」という概念が間違っています
し、彼が取っている対応が、そもそも日朝平壌宣言の精神に反していると言えます。ですので、彼の発
言等々が在日朝鮮・韓国の人びとに対する差別的な対応だと言われても仕方がないと思います。こうい
ったような風潮を許す状況が日本社会の中にいま大きくあると思います。
こういった意味において、この裁判で勝利することが、京都だけの問題ではなくて全国の朝鮮人問題、
そして朝鮮学校に対する日本政府の誠実な対応を求める上で、非常に重要になってくると思います


(終)

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金尚均さんがおっしゃったように、この裁判が持つ意味、意義は非常に大きく価値あるものです。
日本の裁判史上 はじめて民族教育に対する差別問題をまっこうから取り上げているのですから!!桃

集会後のアンケートにこんな言葉があります。

「差別があって当たり前な社会から真意での平等が実現する社会になるための大きな裁判に
なると思います。」
・・・本当にその通りだと思います。

悲しいかな、長い抑圧と差別の歴史の中で日本社会ばかりか、在日自身の心の奥底にも
「在日は差別される側」の意識が巣食っています。
排除され、排除され、また排除されるなかで「またか・・・」という半ば諦めに近い感情を持つ人も
少なくありません。
私は、もちろん差別自体が断じて許せないし必ずなくして行かなければと思いますが、もうひとつ
私たちの中にある「諦め」や「慣れ」の意識をなくさなければならないと強く思っています。
そして、何より若い4世、5世の子たちがこのような意識を持つことが一番悲しく辛いのです。
ただ当たり前の教育を選択し、その中で夢と希望をみつけそれに向けて輝かしい学生時代を
謳歌して欲しい!!!!!
一点の曇りなく、ただ当たり前に・・・

そのためにも、この裁判で意義ある勝利を勝ち取るのが重要だと思います。

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