カチカチとぶつかり合う価値観①
明日からお天気は下り坂のようです。
六月生まれでもジメジメした梅雨は嫌い・・・。
今日は少しだけ湿っぽいお話。
先月のこと。
2年程前から親しくしている女の子から遊びのお誘いを受けました。
その子は時々大きなメイクボックスを抱えていたし、メイクを習っていると聞いたことがありました。
お手入れ方法を教えくれるというので、初めは私の家でという話の流れでした。
だけど狭くて散らかっているからと断ったところ、『自分にメイクを教えてくれる先生がいる。
その人の自宅を貸してもらえるから』と言われ、お言葉に甘えてお邪魔することにしました。
楽しみにしていた当日は、5月には珍しいくらい切れ目の無い強い雨が降っていました。
団地の一室で迎えてくれた先生はとても綺麗な方で、同性から見てももポ~ッとするほど。
先生と友人、私の3人で一通り雑談した後、友人がレッスンしてくれることになりました。
ラインで揃えられた、使用する化粧品の紹介を受けます。
私はたっぷりしたソファに横になり、BGMはちょうど良いボリュームのエンヤです。
ウトウトするくらいの心地よさの中で、クレンジングからスキンケア、メイクまでしてもらいました。
友人が私にアイテムの説明をしながら、先生がアドバイスをはさむ・・・といった感じ。
綺麗にしてもらって、その後先生が作ってくれたお昼ご飯をご馳走になったのですが、
お茶を飲みながら2人は自分達のやっているビジネスシステムの説明を始めました。
メイク用品はもちろん、日用生活品ほとんど扱っている会社の話、商品がどのくらい素晴らしいか。
本当に良い物を人に勧めていくだけで、何年後かには年収何千万になれる・・・。
そう、表向きはメイクレッスンですが、本題は『ココ』だったのです。
あっ・・・(;´Д`)
と思ったときにはもう遅く、
画用紙3枚に描かれたツリー型図式、料金還元比率の数々。
友人は目をキラキラさせて、
『これで毎月何十万という収入を得られるようになれば、仕事をしなくても良い。
好きな時に外国に行き来することができる。それが夢でなくて、現実にありえることで、
実際にそうしている人が何人もいるんです。ぜひやってみませんか』
というようなことを言ってきました。
一倍堅実的というか真面目で臆病なタチの私は、人生の中に『働かないで大金を得られる』
という設計図はありません。(色々な考え方があるだろうけど、少なくとも自分には。)
だから全然興味が湧かずにその場にいるのが苦痛でした。例え良い商品であっても、『購入するか否か・
また購入金額によって誰かに損得が発生する』組織に加わる自分が想像できないし関わらないのが一番
、というのが私の正直な気持ちです。その場では言えなかったけれど・・・。
頭で『早く帰りたい』と念仏のように唱えつつカドがたたないように相槌を打って、
気が付けばお邪魔してから4時間が経過していました。
それでも適当に受け流していればいつかは終わると思っていました。
だけどある台詞を言われた途端心の中でガラスが割れたような音が聞こえて、
私は悲しい気持ちで一杯になってしまったのでした。
続く