“木甘橘系” 福田里香展 | 桜の樹

“木甘橘系” 福田里香展

12/22 ・・・ *追記あり* 


福岡市天神のデパート(?)IMSで開かれている、料理研究家・福田里香さんの

食をテーマにした展覧会に行ってきました。福田さんは果物とお菓子が専門の料理研究家で、

お菓子のレシピ集とかラッピングの本などを何冊か読んだことがあり、気になっていたのでした。


展覧会のタイトルは“木甘橘系”(かんきつけい)ということで、←最初読めなかった・・・柑橘?

そう、柑橘です(^^ゞ会場には、オレンジとかレモンとかの果物を使った『作品』たちが展示されていました。


この『作品』はお菓子でもお料理でもはたまたジュースでもなく、多くは『果実酒』の作られていく

『過程』です。たくさんの瓶たちの中に、フルーツ・アルコール・砂糖etcそれぞれの材料が

漬け込まれていて、展覧会の開催期間は1ヶ月。食べ物たちが変化する様を、足を運ぶたびに

自分の目で確かめることができる・・・そんな一風変わった催しなのです。


自分は美術の授業は好きだったけど、抽象的なものを提示されて自分なりの解釈を述べよ、

みたいなのは正直苦手。そういう時は、目の前にあるものから何かしら感じる思いというのが

あるのか無いのか・・・それとも確かにメッセージのようなものを受けとめているのに、それを

言語にできないだけなのか・・・解らないけれど、瓶の中の果物を見て、そこに楽しさを見出せるの

だろうかと行く前はちょっと不安でした。


でも、会場に一歩足を踏み入れてた途端、私の心臓はドッキンドッキン鳴り出しました。


『何コレ・・・!?』


おびただしい数の細長い瓶に詰められたレモン酒たち、小房に分けられたオレンジの砂糖漬けが

広げられているひろーい網。その網の下に敷かれたマットには、果実からでた水分が溜まって

キラキラと輝いています。かかえきれない位巨大なガラス容器の中身は・・・


糸島のオレンジと金柑と小みかん 田主丸の胡麻焼酎 八女のはちみつとはち


・・・はちみつとはち!?はい、瓶の入り口から、液体表面までの空間に針金で吊るされる

ぽってりとしたオレンジと、近くに配置された『蜂』さん数匹・・・蜜蝋で固めているとのことですが、

うーーん、蜂かぁ、と思わず唸ってしまいました。


閉館間際の午後7時半。他に誰も居ない中で、果物たちがディスプレイされている空間を

彷徨っていると、そのうちコポコポ・・・という声が聞こえてきそうでした。

果実が、リキュールと溶け合っていく音。

美味しいお酒になる瞬間に奏でるリズム。

例えばパンを発酵させる時に感じるのと同じような、食べ物が生きていて呼吸する音。

アルコール漬けにされた、『防腐』の状態でそんなことを感じるのもおかしな話かもしれないけど。。。



もし会場がお近くで、食材好き・柑橘好きな方はぜひ1度足を運んでみては。

可愛いような、怖いような、初めて目にする不思議なイベントです。

IMSの8階、三菱地所アルティアムで開催されていて、1度400円の入場料を払えば、同じ切符で

期間中何度でも入場可です。私もこれから何度か通うつもりです、短い時間の中であの子たちがどう

『変貌』したかを見るのを楽しみにして・・・♪


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“木甘橘系” 福田里香展

日時:12月16日(金)~1月15日(日)

    10:00~20:00

会場:IMS 8階三菱地所アルティアム

料金:一般400円、学生300円、中学生以下無料。再入場可。

IMS『福田里香展』公式HPはこちら


 

*追記*

会場である三菱地所アルティアムさんのHPから、

この展覧会の様子をブログで見ることができます(^v^)