この映画、とてもよかった。
胸がじんわりと温かくなった。
『国宝』のような派手さや心が揺さぶられるような圧倒的な感動とは違うもの。だけど、本当に好きだなあと思えた。
何が私の好みなのだろう。理由を考えてみた。
登場人物がみな、愚直に生きている。不器用に。真っ直ぐに。
他人がどうとか批判することをしない。
過剰に優しさの押し売りをすることもない。
無理せずに、でも自分の生きたいように生きている。
映画の根底に優しさと切なさとが流れている。繊細な映画である。
家族の死を悼み、長い時間をかけて乗り越えてきた私。
哀しみは消えないし、ずうっと哀しみを携えてこれからも生きていくのだと思う。
そんな私に優しく寄り添う映画であった。