シッコ(07米) | Winterecord

シッコ(07米)

シッコ

¥3,399
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 本作品をどのような視点から観るのか。勿論、私はアメリカ人でも、カナダ人でも、キューバ人でもないので、日本人の立場から観ることになる。しかし、『シッコ』には日本の医療問題は描写されていない。とすると、当然ながら、我々は『シッコ』からまずアメリカの医療問題が何たるかを学び、それから、今の日本に照らし合わせ日本の医療問題について考えるという、2段階の視点が必要である。が、しかし最後まで思考停止に陥らずに辿り着くのが肝要ですね笑
 ということで、観覧後の感想です。
 全体としては「国民皆保険」の重要性を様々なエピソードや、国際比較で繰り返し、繰り返し説き、アメリカ医療保険の制度改革を訴える作品でした。実は恥ずかしながら、私マイケル・ムーアの作品を見るのはこれが初めてです。(他の作品も急ぎ観ます!)ということなので、噂の彼独特のアプローチに対する免疫があまりなくて、必要以上に引き込まれないよう少し警戒しながら観ました。最終的にはキューバにまで突撃してしまう彼の姿勢は、エンターテイメントとして大変楽しませてもらいました。
 しかし、作品内で描かれていたアメリカ医療保険界の現状は、決して観てて気持ちの良いものではなかった。保険未加入者も加入者にも降りかかる制度の罠。そして、いつになってもその制度が改革されないアメリカ社会。そもそも、人々にとって、なぜ医療保険制度というものは実体験しなければ、現実味を帯び、問題意識を抱きにくいものなのだろうか。その点は、私が日本の医療保険制度に関してほとんど何も知らないことを考えれば、多少分かる気もした。
 兎にも角にも、どうやら一般のアメリカ国民に医療保険の現状を多少誇張しながらも伝えた本作品は、ドキュメンタリー映画として秀逸であるといえそうである。