松浦玲(2003)『新選組』岩波新書
新選組 (岩波新書)/松浦 玲

¥777
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新撰組。
私は新撰組について考えるたびに、ついつい男に生まれて良かったなと思ってしまう。彼らの「生き様」に、自身の人生を必死になぞらせ、感慨に浸ってしまうのである。
それはさておき、本題に入ろう。新撰組に関する書籍はこれまで星の数ほど出版されてきた。しかし、局長、いわば新撰組の「主役」である近藤勇に関する資料・調査はなぜかそれほど見られない。そう、司馬遼太郎の『燃えよ剣』に典型的に見られるように、世間一般では土方歳三・沖田総司の両名の人気が圧倒的で、新撰組研究にもその点ではっきりと偏りがみられるのである。つまり、局長近藤に興味関心がそそがれていないのである。百歩、いやっ千歩譲って、近藤には人間的魅力が欠けていて、土方・沖田はそれを有していたとしよう。しかし、近藤は、郷里に対して送っていた数多くの長い手紙を残している。これは新撰組研究に大きく貢献するものではないか。近藤の残した新撰組に関する「手がかり」が近藤ともども冷遇されている現状はいかがなものなのだろうか。そして、それにより世間一般には真実とは歪められた「新撰組」がイメージされているのではないだろうか。これが本書の問題意識である。
本書は新撰組における思想としての「尽忠報国」論等、大変興味深い論が展開されている。
歴史的ロマンによって創作的に描かれつつあった新撰組の歴史を冷静に見つめ直す、私にとって少し辛くもあったが良い機会であった。

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新撰組。
私は新撰組について考えるたびに、ついつい男に生まれて良かったなと思ってしまう。彼らの「生き様」に、自身の人生を必死になぞらせ、感慨に浸ってしまうのである。
それはさておき、本題に入ろう。新撰組に関する書籍はこれまで星の数ほど出版されてきた。しかし、局長、いわば新撰組の「主役」である近藤勇に関する資料・調査はなぜかそれほど見られない。そう、司馬遼太郎の『燃えよ剣』に典型的に見られるように、世間一般では土方歳三・沖田総司の両名の人気が圧倒的で、新撰組研究にもその点ではっきりと偏りがみられるのである。つまり、局長近藤に興味関心がそそがれていないのである。百歩、いやっ千歩譲って、近藤には人間的魅力が欠けていて、土方・沖田はそれを有していたとしよう。しかし、近藤は、郷里に対して送っていた数多くの長い手紙を残している。これは新撰組研究に大きく貢献するものではないか。近藤の残した新撰組に関する「手がかり」が近藤ともども冷遇されている現状はいかがなものなのだろうか。そして、それにより世間一般には真実とは歪められた「新撰組」がイメージされているのではないだろうか。これが本書の問題意識である。
本書は新撰組における思想としての「尽忠報国」論等、大変興味深い論が展開されている。
歴史的ロマンによって創作的に描かれつつあった新撰組の歴史を冷静に見つめ直す、私にとって少し辛くもあったが良い機会であった。