夏目漱石(2000)『行人』岩波文庫
行人 (岩波文庫)/夏目 漱石

¥588
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私は、元来小説というものをあまり読まない人間です。尤も決して意識的に遠ざけて生きてきたわけではないのでしょうが、かといってさして必要に迫られたわけでもなかったので、こんな体たらくになったしまったのでしょう。
しかし、ついにその時が来たと言いましょうか、もはや読まずにはいられない状況に相成りました。その状況を一言で申し上げますと、自分があまりに「口下手すぎる」ということです。ただ単に人見知りな点も否めないのでしょうが、特に年上というかご年配の方々とお話をさせていただく機会を与えて頂いたときに、何を話せばよいのか言葉が出ない。話すべきことはあってもどのように話せば心地よく伝わるのかがわからない。心地よくとは少し語弊がありますが、要は「情緒ある日本語を話したいなぁ。」と。ご年配の方の耳に馴染まない「若者言葉」を極力使いたくないのは勿論なのですが、それ以上にご年配の方々に少しでも居心地良くいてもらうためには私は何を伝えればよいのか、、、と自分なりに考えました。
その答えはいまいちわかりません。というかそれは試行錯誤の中にしか答えに辿り着けない種類の問いなのかなぁ、と思います。しかし、ただ闇雲に悩んでいても進歩がないので、何か一つ間違っていてもいいから方針を打ち出そう、と。そこでなんとか辿り着いた仮説が「日本を大事に思っているということを伝える」です。
私は、人の営みの中でも、何かを後世に伝えていくというはとても大事なことだなぁ、なんてたまに思います(そして人として能力値が低すぎる自分でもそれの役割なら担えるかなぁ…と)。そしてご年配の方にとって自分が大切にしていた何かが伝わっていることを実感することは幸せなのかぁ、と考えまして、とりあえず日本という大きな的に決めよう、と。
だからと言って、別に愛国心を唱えるわけじゃないし(笑)、言葉の節々に変な主張を挟むのも可笑しい(それはそれでおもしろいですが)ので、とりあえず日本語を大事にしていこうかなと。といっても何も押し付けがましい感じにではなく、それとなーく、哀愁漂わす日本語を学びたいと考えました。その方法として小説を読むことを思いつきました!特に有名な文学だと、教養として話の種程度にはなるかもしれないし、一石二鳥!笑
前置きが長くなりましたが、「行人」についてでう。
物語ですが、ある夫婦がいて、その学者である夫は自身の弟と、妻の仲を疑います。学者ゆえの性なのか、人を信じることができなくなった夫は、弟と妻の二人を試すために二人だけで一つの宿に一晩泊まってきてくれ、と頼みます。人を信じれなくなった学者の顛末はいかに…というような現代人の私にも共感間違いなしのお話です。
人の持つ葛藤というのはいつの時代も変わらないのだろう。この学者の葛藤は、晩年期、病に伏せながらも持ち続けた漱石自身の葛藤だったのかもしれない。
――君の心と僕の心とは、一体どこまで通じていて、どこから離れているのだろう。
と、夫は友人に問いかけ、友人の親身な気持ちに対しても「偽善でしかない」という答えを出してしまう。
気がふれてしまわないだろうかと家族から心配され、孤独を深めていく夫の追い詰められた状況に、どこかで考えさせられる一作である。

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私は、元来小説というものをあまり読まない人間です。尤も決して意識的に遠ざけて生きてきたわけではないのでしょうが、かといってさして必要に迫られたわけでもなかったので、こんな体たらくになったしまったのでしょう。
しかし、ついにその時が来たと言いましょうか、もはや読まずにはいられない状況に相成りました。その状況を一言で申し上げますと、自分があまりに「口下手すぎる」ということです。ただ単に人見知りな点も否めないのでしょうが、特に年上というかご年配の方々とお話をさせていただく機会を与えて頂いたときに、何を話せばよいのか言葉が出ない。話すべきことはあってもどのように話せば心地よく伝わるのかがわからない。心地よくとは少し語弊がありますが、要は「情緒ある日本語を話したいなぁ。」と。ご年配の方の耳に馴染まない「若者言葉」を極力使いたくないのは勿論なのですが、それ以上にご年配の方々に少しでも居心地良くいてもらうためには私は何を伝えればよいのか、、、と自分なりに考えました。
その答えはいまいちわかりません。というかそれは試行錯誤の中にしか答えに辿り着けない種類の問いなのかなぁ、と思います。しかし、ただ闇雲に悩んでいても進歩がないので、何か一つ間違っていてもいいから方針を打ち出そう、と。そこでなんとか辿り着いた仮説が「日本を大事に思っているということを伝える」です。
私は、人の営みの中でも、何かを後世に伝えていくというはとても大事なことだなぁ、なんてたまに思います(そして人として能力値が低すぎる自分でもそれの役割なら担えるかなぁ…と)。そしてご年配の方にとって自分が大切にしていた何かが伝わっていることを実感することは幸せなのかぁ、と考えまして、とりあえず日本という大きな的に決めよう、と。
だからと言って、別に愛国心を唱えるわけじゃないし(笑)、言葉の節々に変な主張を挟むのも可笑しい(それはそれでおもしろいですが)ので、とりあえず日本語を大事にしていこうかなと。といっても何も押し付けがましい感じにではなく、それとなーく、哀愁漂わす日本語を学びたいと考えました。その方法として小説を読むことを思いつきました!特に有名な文学だと、教養として話の種程度にはなるかもしれないし、一石二鳥!笑
前置きが長くなりましたが、「行人」についてでう。
物語ですが、ある夫婦がいて、その学者である夫は自身の弟と、妻の仲を疑います。学者ゆえの性なのか、人を信じることができなくなった夫は、弟と妻の二人を試すために二人だけで一つの宿に一晩泊まってきてくれ、と頼みます。人を信じれなくなった学者の顛末はいかに…というような現代人の私にも共感間違いなしのお話です。
人の持つ葛藤というのはいつの時代も変わらないのだろう。この学者の葛藤は、晩年期、病に伏せながらも持ち続けた漱石自身の葛藤だったのかもしれない。
――君の心と僕の心とは、一体どこまで通じていて、どこから離れているのだろう。
と、夫は友人に問いかけ、友人の親身な気持ちに対しても「偽善でしかない」という答えを出してしまう。
気がふれてしまわないだろうかと家族から心配され、孤独を深めていく夫の追い詰められた状況に、どこかで考えさせられる一作である。