司馬遼太郎(2002)『翔ぶが如く(一)(二)(三)』文春文庫
翔ぶが如く〈1〉 (文春文庫)/司馬 遼太郎

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翔ぶが如く〈2〉 (文春文庫)/司馬 遼太郎

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翔ぶが如く〈3〉 (文春文庫)/司馬 遼太郎

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明治政府は薩摩がつくった、と言っても過言ではない。その明治政府を薩摩が自ら、否定し拒んだという。その結果が、西南戦争である。この一連の奇怪な史実が、本作では描かれる。
物語は、大久保利通、西郷隆盛の周辺を軸に描かれる。中でも興味深いのが「新帰朝」と呼ばれる欧渡組の存在だ。彼らは、欧米文化に接したことによる衝撃から、日本を取り巻く国際的環境に対し圧倒的な危機感を抱くに至った。その彼らがそれぞれに日本の将来への大いなる忠義心・正義心から大久保側に助力し、維新の英雄・西郷、更にその背後にある薩摩と対決していく。彼らとは具体的には、伊藤、大隈、川路らのことである。彼らはほとんど恐ろしいほどに何の躊躇いもなく、日本の向かうべき将来像を描ききった。それゆえ、何も恐れることなく西郷一派を排除するために奔走できた。結果からいえば、彼らの存在こそが、西南戦争の結果を呼び込むための決定打となったのだろうし、彼らなしでは大久保はそのとき、存在できなかったろう。それほどに重要な存在である彼らが、日本という国家的視野に立ち、ほとんど無垢な正義を持って行動していた点には感動すら覚える。逆にそのとき、幕末において回天の大事業を行った西郷、大久保、木戸、岩倉、勝といったビッグネームたちは明治において、権威的象徴でこそあったが、具体的な国家構想にはほとんど着手できなかったことに、私は驚きを感じ認識を新たにした。

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明治政府は薩摩がつくった、と言っても過言ではない。その明治政府を薩摩が自ら、否定し拒んだという。その結果が、西南戦争である。この一連の奇怪な史実が、本作では描かれる。
物語は、大久保利通、西郷隆盛の周辺を軸に描かれる。中でも興味深いのが「新帰朝」と呼ばれる欧渡組の存在だ。彼らは、欧米文化に接したことによる衝撃から、日本を取り巻く国際的環境に対し圧倒的な危機感を抱くに至った。その彼らがそれぞれに日本の将来への大いなる忠義心・正義心から大久保側に助力し、維新の英雄・西郷、更にその背後にある薩摩と対決していく。彼らとは具体的には、伊藤、大隈、川路らのことである。彼らはほとんど恐ろしいほどに何の躊躇いもなく、日本の向かうべき将来像を描ききった。それゆえ、何も恐れることなく西郷一派を排除するために奔走できた。結果からいえば、彼らの存在こそが、西南戦争の結果を呼び込むための決定打となったのだろうし、彼らなしでは大久保はそのとき、存在できなかったろう。それほどに重要な存在である彼らが、日本という国家的視野に立ち、ほとんど無垢な正義を持って行動していた点には感動すら覚える。逆にそのとき、幕末において回天の大事業を行った西郷、大久保、木戸、岩倉、勝といったビッグネームたちは明治において、権威的象徴でこそあったが、具体的な国家構想にはほとんど着手できなかったことに、私は驚きを感じ認識を新たにした。