崖の上のポニョ(08日) | Winterecord

崖の上のポニョ(08日)

【予約】久石譲/崖の上のポニョ サウンドトラック

¥3,000


 世にも不思議で愛らしい人面魚「ポニョ」が、崖の上の一軒屋に住む「宗介」と出会い、人間になることを夢見てしまうことから始まる、ファンタスティック・ラブストーリー。
 久々のジブリ作品、ということで期待度大だった。物語の中盤まではその期待通り、いや期待以上の感動を味わい、数十年振りに童心に返ることができた。中でも、私の心を躍らせたのは、この物語の舞台である港町に住む「人々の躍動感」である。このような、どこにでも存在する人々の生活をコミカル且つリズミカルに描かせれば、ジブリの横に並ぶアニメプロダクションは少ないだろう。私は彼らの表現力に魅かれ、港町での生活を夢見るひとときを味わった。長崎が私を呼んでいる、そんな気持ちにもなった。
 中盤以降は「ポニョ」と「宗介」が二人力を合わせ、困難に立ち向かう。その戦いは、今までのジブリ作品とは比し難いほどに小規模でシュールだった。それなのに、突如「ポニョと宗介の愛が世界を救う」等という台詞が流れた瞬間は唖然とした。なぜ、そんな展開になるのか。そんな疑問を感じざるをえなかったが、逆にこの問いを頭に置きながら作品をもう一度頭から見直すことで、初めて宮崎駿の込めたメッセージが浮かび上がるのかもしれない。

 再見を要する映画だ。だが、子供で溢れ返るあの映画館にはもう行くことはないだろう。