オルテガ(2002)『大衆の反逆』中公クラッシクス
大衆の反逆 (中公クラシックス)/オルテガ

¥1,365
Amazon.co.jp
著者はスペイン人の哲学者。近代社会に生まれた「大衆的人間」について論じ、人間社会の将来を憂う。
筆者はまず、すべてはヨーロッパ社会において「以前は支配されていた凡庸な人間が、世界を支配しようと決意した」ことに起因すると考える。そして、この「凡庸な人間」たちこそ、「大衆的人間」であり、「甘やかされた子供」であり、「贅沢が人類のなかにつくりだした奇形の一つ」であるとする。
更に我々が今一度憂慮すべき、恐るべき問題として、「社会の主導権が文明の諸原理に全然関心のないタイプの人間に握られたということ」を挙げている。この事態が、世界は文明化しているが、そこに住んでいる人間は未開人のままである、という逆説的状況を生んでいるのだ、と。
また、本書で触れられているウォルドー・フランクによる「ヨーロッパ合衆国の成立」の指摘には、そら恐ろしくなってしまった。
そして最も驚くべきは、本書が発表されたのは未だ第二次世界大戦も始まっていない、1930年であるということだ。彼が表現し、揶揄する事態は、我々が生きる21世紀にこそ正鵠を射ているのではないだろうか。
10年後、20年後の再読を要する一冊だろう。

¥1,365
Amazon.co.jp
著者はスペイン人の哲学者。近代社会に生まれた「大衆的人間」について論じ、人間社会の将来を憂う。
筆者はまず、すべてはヨーロッパ社会において「以前は支配されていた凡庸な人間が、世界を支配しようと決意した」ことに起因すると考える。そして、この「凡庸な人間」たちこそ、「大衆的人間」であり、「甘やかされた子供」であり、「贅沢が人類のなかにつくりだした奇形の一つ」であるとする。
更に我々が今一度憂慮すべき、恐るべき問題として、「社会の主導権が文明の諸原理に全然関心のないタイプの人間に握られたということ」を挙げている。この事態が、世界は文明化しているが、そこに住んでいる人間は未開人のままである、という逆説的状況を生んでいるのだ、と。
また、本書で触れられているウォルドー・フランクによる「ヨーロッパ合衆国の成立」の指摘には、そら恐ろしくなってしまった。
そして最も驚くべきは、本書が発表されたのは未だ第二次世界大戦も始まっていない、1930年であるということだ。彼が表現し、揶揄する事態は、我々が生きる21世紀にこそ正鵠を射ているのではないだろうか。
10年後、20年後の再読を要する一冊だろう。