高木桂蔵(1991)『客家―中国の内なる異邦人』講談社現代新書
客家(ハッカ)―中国の内なる異邦人 (講談社現代新書)/高木 桂蔵

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昨夏、客家族の女性に出会った。
とても、幸せそうに日々を過ごしているようにみえた彼女だったが、話をしていて、あることが気になった。彼女は、驚くほど勤勉なのだ。平日は貿易関係の仕事に携わり、週末は大学に通い、毎朝早朝から語学のトレーニング。そして夜の仕事もほぼ毎晩。なぜそんなに働くのか、というわたくしの問いに対し、彼女は一言「客家の女は、勤勉なのよ」と、こたえた。それ以来、わたくしは彼女たちの価値観・労働観、ひいては文化・歴史に強く興味を持ち、それが本書を手に取ったきっかけともなった。
「客家」とは、文字通り「客の人々」という意味で、とどのつまり「土着でなく、他所からやってきた人々」という意味を持っている。要は「よそもの」というわけである。このことからも分かる通り、客家族は、政治的・経済的理由により、歴史的に生活の場を転々としてきたのだ。本書にはそうした彼らの歴史、民族を代表する著名な政治家について記されている。
その歴史的経緯から、彼らは民族特有のある文化・精神を形成した。それを万金油で著名な胡文虎は、「刻苦耐労」「剛健引毅」「創業勤勉」「団結奮闘」の精神と表現している。この精神は、先述した女性が述べていた言葉そのものだった。客家族の多くは現在の彼らの経済的発展を支えた彼ら特有のこの価値観に対して、強く誇りを持っている。だから、彼らは強く、逞しい。その彼ら(わたくしの中では客家のイメージ、それすなわち彼女のことに過ぎないのだが)にわたくしは如何にして立ち向かえばよいのか。そう考えるだけで、胸の疼きが収まらなくなった。

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昨夏、客家族の女性に出会った。
とても、幸せそうに日々を過ごしているようにみえた彼女だったが、話をしていて、あることが気になった。彼女は、驚くほど勤勉なのだ。平日は貿易関係の仕事に携わり、週末は大学に通い、毎朝早朝から語学のトレーニング。そして夜の仕事もほぼ毎晩。なぜそんなに働くのか、というわたくしの問いに対し、彼女は一言「客家の女は、勤勉なのよ」と、こたえた。それ以来、わたくしは彼女たちの価値観・労働観、ひいては文化・歴史に強く興味を持ち、それが本書を手に取ったきっかけともなった。
「客家」とは、文字通り「客の人々」という意味で、とどのつまり「土着でなく、他所からやってきた人々」という意味を持っている。要は「よそもの」というわけである。このことからも分かる通り、客家族は、政治的・経済的理由により、歴史的に生活の場を転々としてきたのだ。本書にはそうした彼らの歴史、民族を代表する著名な政治家について記されている。
その歴史的経緯から、彼らは民族特有のある文化・精神を形成した。それを万金油で著名な胡文虎は、「刻苦耐労」「剛健引毅」「創業勤勉」「団結奮闘」の精神と表現している。この精神は、先述した女性が述べていた言葉そのものだった。客家族の多くは現在の彼らの経済的発展を支えた彼ら特有のこの価値観に対して、強く誇りを持っている。だから、彼らは強く、逞しい。その彼ら(わたくしの中では客家のイメージ、それすなわち彼女のことに過ぎないのだが)にわたくしは如何にして立ち向かえばよいのか。そう考えるだけで、胸の疼きが収まらなくなった。