山崎豊子(1994)『大地の子(三)』文春文庫 | Winterecord

山崎豊子(1994)『大地の子(三)』文春文庫

大地の子〈3〉 (文春文庫)/山崎 豊子

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 松本は、戦争孤児として中国に遺してしまった子供らの消息を辿り、中国を訪れる。

 戦争の「後始末」をまざまざと見せ付けられている気分になった。
 わたくしはこれまで三十年戦争とか、薔薇戦争といった歴史とは、一つ一つの殺し合いの大局的な経緯であるとぼんやり思っていた。しかしそこに生ける人々にとっての現実は、そうではないようだ。戦争の結果として起きた様々な劇的変化。その物理的・精神的「後始末」。その中で培われていく価値観・感情を含めて、人々は歴史を形成するのだろう。
 教科書に載っている一つ一つの歴史のすべてにこうした「後始末」が含まれるのかと考えると、これから歴史に目を向けることが恐ろしくなってしまう。