山崎豊子(1994)『大地の子(二)』文春文庫
大地の子〈2〉 (文春文庫)/山崎 豊子

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日本人には、中国にどこかで償わねばならない気持ちがある。その想いを形として示した出来事。それが、日中共同の一大プロジェクト、「宝華製鉄建設」である。一見美談として片付けられそうなこの話だが、現場レヴェルではこうした協力のときでさえも日中間で激しいせめぎ合いが繰り広げられていた。それが今回の小説の舞台である。その交渉の場でついに中国側に陸一心、日本側に一心の実父、松本耕次が立ち、偶然の再会を果たすことになるのである。
日中間における国家的プロジェクトの歴史的意義、そしてそこに生きる人々の生き様、感情、猥雑さが併存して描かれている。その雄大さと生々しさを同時に体感できるのが、本作の醍醐味といえるのかもしれない。
また、正に「鉄は国家なり」という価値観が尊ばれた社会・時代における、重工業の社会的・国家的重要性を改めて認識することができたことが、有意義であった。

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日本人には、中国にどこかで償わねばならない気持ちがある。その想いを形として示した出来事。それが、日中共同の一大プロジェクト、「宝華製鉄建設」である。一見美談として片付けられそうなこの話だが、現場レヴェルではこうした協力のときでさえも日中間で激しいせめぎ合いが繰り広げられていた。それが今回の小説の舞台である。その交渉の場でついに中国側に陸一心、日本側に一心の実父、松本耕次が立ち、偶然の再会を果たすことになるのである。
日中間における国家的プロジェクトの歴史的意義、そしてそこに生きる人々の生き様、感情、猥雑さが併存して描かれている。その雄大さと生々しさを同時に体感できるのが、本作の醍醐味といえるのかもしれない。
また、正に「鉄は国家なり」という価値観が尊ばれた社会・時代における、重工業の社会的・国家的重要性を改めて認識することができたことが、有意義であった。