岡本太郎(2002)『芸術と青春』光文社知恵の森文庫 | Winterecord

岡本太郎(2002)『芸術と青春』光文社知恵の森文庫

芸術と青春 (知恵の森文庫)/岡本 太郎

¥540
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母ほど純粋な人を私は知らない。

 漫画家岡本一平と歌人岡本かの子の間に生まれた、岡本太郎。三位一体を想起させられる、この家族図。しかしこの一家の場合、かの子自身が「今の私は実家の父母の間から生まれたかの子ではない。岡本と私との間から生まれたかの子だ」といっているように、「子」はかの子であったように思う。かの子がこの家の全てであり、全ての愛はかの子に向けられていたのだ。例えば、かの子が若き文学青年を自分の家に入れて共に住まわせた。そんなことも許された。父自身、それを「かの女と私は肉親の同胞同裔化してゐた」と記している。これは愛とは違う、もし愛ならば何らかの欠落があるとしか思えない。本書に触れて、わたくしはどうしようもない未曾有の感情に襲われた。