許光俊(2005)『世界最高の日本文学―こんなにすごい小説があった』光文社新書 | Winterecord

許光俊(2005)『世界最高の日本文学―こんなにすごい小説があった』光文社新書

世界最高の日本文学 こんなにすごい小説があった/許 光俊

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 世界最高とまではいかないが、良い日本文学を読みたいと考えている人は沢山いると思う。だが、それを実際に読むには諸々の事情からかなり敷居が高いので、諦めてしまう人が殆どだろう。筆者は、その「ハードル」それ自体を引き下げようと画策してくれている。

 紹介された作品には、いつの世にも変わらない人の心の葛藤、悲しみが描かれているものが多かった。それらから少し、普遍的な価値が垣間見れた気がする。

 確かだと思えることや、長続きしそうなものが稀な今の世の中、そうしたものを発見できたときの喜びは何物にも代え難く、尊く思える。ただそれに縋って生きていくのも、あんまり良くないのかもしれない。その判断を間違えると取り返しが付かないからだ。だが、きちんと自分なりの普遍的なモノを見付けて良い関係を築けている人は素晴らしいと思う。

 結局、様々なものの影響下に身をおきながら作りあげる、モノと自分との絶対的な距離感こそが、自分らしさなのかもしれない。