- 夏井 いつき
- 絶滅寸前季語辞典
この本、ぜったい面白い。わたしが俳句に手を出さないのは、季語がややこしいからでもあるし、その季語の中でもさらに難関季語が集められている。
いくつか知っている言葉もある。たとえば、「あっぱっぱ」とか。
最初、どこかで聞いたことのある言葉だと思ったけど、意味が思い出せない。本文を読んでいるうちに思い出す。
夏服、といえば聞こえはいいけど、当時はムームーなど袖なしのワンピースのことを「あっぱっぱ」と呼んでいた気がする(母が)。(ムームーも死語?)
あっぱっぱをもう少し解説すると、母流のあっぱっぱのつくり方というのがあり、布を買ってきて子どものサイズに合わせて適当に裁断し、それを縫い合わせる。次に子どもに着せ、適当に胸の部分のギャザーを決めて縫う。最後にとも布か余った部分で肩の部分を縫い付けて終わり。丈が短すぎたと思えば、裾にフリルのように布を縫いつけて調整。
昔ははぎれというのが売っていて、布屋さんへ行くと1.5mとか2.3mとか札が付いてワゴンに積んであった。服をつくるには足りないけれども、子どものあっぱっぱをつくるなら充分なので、母が縫っていた記憶がある。まだTシャツやジーンズなどもめずらしい頃。夏の子ども服の定番はあっぱっぱ。
ワンピースなどという高級なものではない。あっぱっぱのウエストにゴムを入れたらワンピース風? が、しかし、袖まできちんと付けたらそれはもはやあっぱっぱとは呼ばない。麦藁帽子にあっぱっぱ。
今はいくらでも売ってるからなぁ・・・(言い訳がましい)
いや~、それにしても季語を絶滅させないための努力が痛ましい・・・
火鉢なんて今時どこに売ってるんだろう・・・絶滅させないためには火鉢を買って、炭を買って、練炭を探し、・・・あげく茨城では違法ですと言われたらどうしよう。「インバネス」とか「カンカン帽」と言われてもわからない。でも、着てるのか・・・(さすが俳人)