娘はすこぶる機嫌がよく、入試の日ですら楽しかったらしい。会場を案内してもらった生徒と話しながら、その人がとてもやさしかったのでますますその学校へ入学したいと思うようになったらしい。試験の面接でもそのように答えたと言っていた。落ちてもまた一般入試で受けるそう。


というわけで、受かっていたらよいのだけど。


開業の話もふりだしに戻り、特に慌てて何かをする必要性もないことを思い出したせいか、ダンナもとてもリラックスしている。わたしは医療事務のインターネット講座を申し込み、スタンバイしている。


土地を買って、建物を建てて、人を雇って、借金だらけ。


そういうストレスの高い生活はイヤ。


こういうとき、父ならどうするか想い描く。おそらくはポイっと捨てて布団を被って寝ているだろう。一日中誰にも会わず布団を被って寝ているかと思えば散歩に出かけたりスポーツ紙を読んだり。それで不意に思い立ったようにどこかに電話していた。


それで、父ならこういう場合どうするかを考える。おそらくはチャラにして、二束三文の土地にユニットハウス。そんなところで商売になるとは思えないところで何かを始めるような気がする。試用期間というか、ダメだとなればあっさり撤退。そして、違う方法を考える。


茨城県は医師の少なさでは全国ワースト2位。


わが家の周辺を眺めると、決して不足しているような気はしないのだけど。


そこでユニットハウスとかエアロハウスなどをあちこちに建て、毎週診療日を決めてまわるとかね・・・お天気がよければオト・マリを連れてドライブがてら仕事。最新式のポータブルのエコーを載せて訪問診療。まあ、わたしは何もできないけれども、悪名高いレセプトの計算くらいできれば何とかなるだろう。


レントゲン?

要らないよ・・・そんなもの。わたしはずっとそうやってダンナに言っている。ほとんど使わないし、肺がんが見つかる確率も低い。いざ見つかったとしても入院の摘要となれば病院に送らなければならないし、結核にしても呼吸器の専門医でなければ診れない。そんなことより、自分の領域をきちんとしていたほうがいい。


最初の計画の費用をこじんまりと振り分ければ、7つの小さなクリニックを建て、毎日ラウンドしてもまだ余る。


それにしても、世の中は介護施設ブーム。産科が倒産しやすいのはわかる気がする。少子高齢化の影響だけではなく、産科となると24時間体制の上に、施設に莫大な費用がかかる。今はとても贅沢になったせいか、どうせ出産するなら設備が整い、食事の美味しいところ、とかね。ちょっと考えただけでやっていけそうにない。小児科も保険の点数が低い。そういう世相を反映してか、産科や小児科を希望する医師が減り、それでは困るとなると今度は点数が引き上げられる。


医療費が増大したため介護施設が増える。介護施設というのは医療を行わない。高齢者の医療費は定額となりつつあり、医療を行うほどに損な仕組み。えぐい。


年金がどうたらこうたらとか、医療費がどうたらこうたらとか、一歩外へ出てしまえば意味のない世間話の一つにすぎなくなってしまう。雇用がどうたらこうたら、税金がどうたらこうたら。なんか、こう、勝手にやってくれ、という気分。


文明に汚染されすぎているのかも。上下水道が整っていないところで開業できない、とかね。調剤をどうするか、とかね。だるだる。何もないところでも何とかするのが医者ってもんだろう。次々と開発される新薬や医療機器。錠剤をわざわざ昼・夜など袋に入れて小分けする時代らしい。そうしないと自分が薬を飲んだかどうか思いだせない年寄りが多いからというが・・・自分が何の薬を飲んでいるかも知らないのかもしれないという危惧が走る。