鳩



渋滞の信号の森蝉の声耳の奥まで滲み込んでゆく

渋滞にクルマが止まる、それだけで肌のしんしん焼けゆく匂い

木陰には涼しい声が似合うはず、なのにうるさい蝉は鳴く鳴く

台風の過ぎた空には少しだけ皮膚の痛みの照りつける色

けだるさは伝わるものかネットすら切り替わらない白い我慢日


芝のうえいつしか翳は減りました。照りつける陽の輝くままに。

オトくんは笑みを浮かべてダンシング、ドアの向こうに爪の音鳴る。

さわさわと風の舞う音ささやけば台風のなか今もいるかと

芝のうえ忘れた軍手ぬれたままとどまりし夜嵐過ぎ去る


無邪気にも喜んでみて受験生、落ちて泣くのはわたしのほうだ。

けだるくもゆきすぎる夏駐車場うぐいすの声風の向こうに


サフィニアの花撒かれたるドアのそば二匹の犬の爪立てる音


画像: NOION