天使7



竹篭の小さなバスケ抱えては幼子のわれ砂利道あるく

子ども用バッグ売り場の色違いトッポジージョは最後に笑みし

暗がりのオイルショックの言の葉はさびしき雪の祭りにぞ聞く

山のいろ森のいろより青ければ一本道をただ走りゆく

林道の清流の音におびえたる丸太のうえは父の背に乗り

滝の道林の奥の木陰にぞまあたりにする白き水音


リカちゃんの家をつぶすか弟はおむつの尻をどすんと落とし

リカの椅子壊れてみれば発砲のスチロールだに広がりてあり

人形の家のまどりの深ければ紙のうえにぞ階段はあり

ささやかにプラスチックに変わる椅子リカの豪邸ピンクの箱に

くちゃくちゃにセルロイドさえ捨てられし小さな世界ドールの箱に

人形の髪の匂いのおもちゃ箱よごれたあしの靴は消え失せ


二重窓つららの音のなつかしき窓の外には雪の標本

どっさりとつららの落つる物音はしずかな夜もまばゆき昼も

雪のうえよじのぼりては2階まで屋根はつづきぬ雪落とす冬


春の道泥にまみれた残雪は嫌われ者のうずくまる水

ぴしゃぴしゃと急激な春おとづれし北の国にはすきとおる空

真っしろき雪の世界は淡き青かすかな空の地に広がりき

あしあとを残してみれば長靴に雪詰め歩くポプラの小道



画像: 梓のホームページ