百合

 

千年を一日(ひとひ)と数ふあなたにはうすぺらな灯のうすら灯りか

パラダイスひろがる海の青ければ冷たさだけがわかつ光や

五月雨にさらさるる葉の待つここちひろがる光かをる息吹を

十字架の栄光はまた光るらむ万葉のまえふる星のまえ

散りゆかば消えし宇宙の藻屑にもなれぬアジアの身をこごむ春

透きとおる陽の輝きは雲のうえしづかに燃ゆる空将のごと

マラナタとくちぶえ吹けば春風は萌ゆるみどりにいのちをあたふ

グローリアス、ずっとむかしの春風も運んできたかみちしるべあり

ぬばたまの闇のつづくかしきしまはいつの日にやら陸の乾上り

どうしても思い出せないことがある。それはいつ日のとまどいなのか。

百合の花もはや筑波にみられぬがいつ伝わるや猪は知らずに

庭のすみ百合ののびゆく濃いみどり夏まで春は輝くものぞ

水のあるしきしまの四季かがやけば桜散るらんそして咲く春

八重桜ぽつりぽつりと過ぎ去った桜のうたを今ことほげと

少しずつ希望の光輝けば闇は来るらん耐えられぬ夜

めぐりゆく地球の音の聞こえない静かな光輝くばかり

めぐみさえ忘れてすごす大地にも枯れた薄はまだたたずみし

秋風の吹く頃なれば枯れ薄燃ゆる夕陽に身をさらすらん

いのちあたふされど息吹のくりかえす実りのぶどう蔓のかげろふ

サルビアの勝手気ままに葉を伸ばす芝生も今は少しずつ春

高麗の芝に覆われわが庭はアジアの百合のひっそりと夏

  

画像: White Garden