tenshi


静かなる田舎暮らしも退廃に包まれゆくか建設ラッシュ

駐車場立体化して建ち並ぶ無機質な箱ふえゆくばかり


風薫る季節になればあちこちに若葉マークの危険な香

走らない走らせないか死角にもなってないのに対向車をり

駐車場そろそろ出るかおそろしき若葉マークは前みて走る

うつろわば毎年変わる同じ顔また新しき学生歩く


八重桜深いピンクの花咲けば端午の節句ちかづく並木

鯉のぼりだらんと落ちて葉隠れに身をさらしたり隣家花咲く

アザレアの濃くも紅ざっくりと濃くもなりゆくみどりに落つる

蒲公英の生き残りたる春の庭明日はどうなる風まかせかな


根掘るため100円ショップ出かければ鎌も鋏も箒も売られ

学生の歓迎会にたちかわる連休の客よちよち歩き

せわしなく春に堰かされまったりと自転車の音運び来ぬ風

爪のなか土落としては土の入る春はせつない泡立つ野草

枯れ薄風に吹かれて空き地にぞ身をこごめたる新陳代謝


春風に背を押されつつあゆみゆくうつろう街に違う猫おり

白猫の消えた庭寝る灰色の見知らぬ猫も猫は猫かな

人変わり猫も変わるか春の街とどまる景色そのままにあり



画像: 梓のホームページ