往生の際わるそうな雪犬の温和な瞳頬うるわしく
目で詠むか耳澄ましたるうた声のこわれた響きのどの奥臥す
まっしろけお庭にすわる雪犬は微笑みながら消えてゆくぞと

くるぶしに他愛なく床吹雪くやう冷たい息の流れゆくドア
雪の灯はまぐれあたりの光線にはじけてみてもゆるりと日向
ひねもすをうつらうつらとうた詠めばましろき雪は芝にかわりぬ

とじこめた時間のなかにあるやうな雪は白白そして消えゆく


画像: NOION