家政婦のミタ
ミタの過去 長台詞
私が初めて最中をいただいたのは、希衣さんと同じ年の頃でした。
その1年前、近所の川で溺れそうになった私を救おうとして、大好きだった父が死にました。
それ以来、母は心のどこかで、最愛の夫を殺した娘を憎み、避けるようになりました。
私は勉強や習い事を必死で頑張り、何とか母に喜んで貰おうとしました。しかし、再婚し、子供を作ると、弟の事ばかり可愛がるようになりました。
義理の父が私に色目を使うようになると、母は益々、私を憎むようになりました。
『おまえのその笑顔が悪いんだ。その笑顔が周りを不幸にする』と、何度も責められました。
それでも当時、うちの家政婦をやっていた所長さんに励まされ、私は懸命に笑顔を作りました。
いつかこんな自分を愛してくれる人に巡り会えると信じていました。
そして、主人と出会いました。
彼にそっくりの男の子もできました。
私のこしらえた料理を『おいしい。おいしい』と食べてくれる2人を見ているだけで他には何も入りませんでした。
毎日毎日が幸せで心から笑って過ごしました。
そんな時、弟が家に来るようになりました。
私を愛していると言い出し、つきまとうようになりました。
主人はそんな事とは夢にも思わず、弟をいつも歓迎しました。
それをいい事に、弟は私に関係を迫り、ストーカー行為を始めました。
父親が違うとはいえ、姉弟であり、私はなんとか彼の善意に訴えようとしました。
何度も何度も許して欲しいと頼みました。
しかし、駄目でした。
やがて、主人が弟の正体を知りました。
2度と来ないでくれと主人に責められた弟は、逆上し、
『おまえが俺を誘惑した。おまえが悪いんだ』と私達の家に火をつけました。
燃え盛る火の中、『お母さん、助けて! お母さん、助けて!』と叫ぶ息子の声が聞こえました。
私は火の中に飛び込もうとしました。
でも、消防の人に止められました。
私がこの世で一番大切だった主人と息子は死にました。
そんな私を嘲笑うかのように、弟が自ら命を断ちました。
残された母や主人の両親は、
『おまえが悪い。おまえのその笑顔が結局、周りを不幸にする』と。
『もう謝らなくていい。何もしなくていい。ただ、もう死ぬまで2度と笑うな』と。
こうして私の人生から、光が、希望が、夢が、愛が、喜びが、幸福が、未来が消えました。
私の事は全てお話しましたので約束通り、お暇をいただきます。
私が初めて最中をいただいたのは、希衣さんと同じ年の頃でした。
その1年前、近所の川で溺れそうになった私を救おうとして、大好きだった父が死にました。
それ以来、母は心のどこかで、最愛の夫を殺した娘を憎み、避けるようになりました。
私は勉強や習い事を必死で頑張り、何とか母に喜んで貰おうとしました。しかし、再婚し、子供を作ると、弟の事ばかり可愛がるようになりました。
義理の父が私に色目を使うようになると、母は益々、私を憎むようになりました。
『おまえのその笑顔が悪いんだ。その笑顔が周りを不幸にする』と、何度も責められました。
それでも当時、うちの家政婦をやっていた所長さんに励まされ、私は懸命に笑顔を作りました。
いつかこんな自分を愛してくれる人に巡り会えると信じていました。
そして、主人と出会いました。
彼にそっくりの男の子もできました。
私のこしらえた料理を『おいしい。おいしい』と食べてくれる2人を見ているだけで他には何も入りませんでした。
毎日毎日が幸せで心から笑って過ごしました。
そんな時、弟が家に来るようになりました。
私を愛していると言い出し、つきまとうようになりました。
主人はそんな事とは夢にも思わず、弟をいつも歓迎しました。
それをいい事に、弟は私に関係を迫り、ストーカー行為を始めました。
父親が違うとはいえ、姉弟であり、私はなんとか彼の善意に訴えようとしました。
何度も何度も許して欲しいと頼みました。
しかし、駄目でした。
やがて、主人が弟の正体を知りました。
2度と来ないでくれと主人に責められた弟は、逆上し、
『おまえが俺を誘惑した。おまえが悪いんだ』と私達の家に火をつけました。
燃え盛る火の中、『お母さん、助けて! お母さん、助けて!』と叫ぶ息子の声が聞こえました。
私は火の中に飛び込もうとしました。
でも、消防の人に止められました。
私がこの世で一番大切だった主人と息子は死にました。
そんな私を嘲笑うかのように、弟が自ら命を断ちました。
残された母や主人の両親は、
『おまえが悪い。おまえのその笑顔が結局、周りを不幸にする』と。
『もう謝らなくていい。何もしなくていい。ただ、もう死ぬまで2度と笑うな』と。
こうして私の人生から、光が、希望が、夢が、愛が、喜びが、幸福が、未来が消えました。
私の事は全てお話しましたので約束通り、お暇をいただきます。