昨日、深夜に、N○Kで、がん難民についての番組を観ました。

簡潔に番組の内容を書くと、国の医療費削減対策において、診療報酬を改正した結果、入院が長引くと、診療報酬が落ちるシステムのため、がんを患い、手術後すぐ、まだ、体の状態が落ち着いてないのに、退院を宣告する。
入院して、2週間という短期でも、1日でも入院が長引くと、診療報酬が、どんどん落ちるので、早期退院を打ち出す。

という状況で、どこにも行き場がない、がん難民が、地域に溢れ出してる。



というような内容でした。
国は、2年前に、がん対策基本法を成立しましたが、現実は、理想に過ぎなく、がん難民をどんどん出てしまっている現状。



1.がん拠点病院での専門的治療。

→治療効果が思わしくない結果、治療終了。
(医療費削減のため、効果が見られない治療は、行なわない。)

2.地域の診療所。緊急時には、地域の一般病院での、入院受け入れ。
または、療養型病床、ホスピス。

と、段階的な方針を打ち出していますが、一般病院でも、治療できない患者の、入院を受け入れてもらえない例や、24時間体制で、在宅医療を支援する診療所の整備が整っていない。
また、療養型病床、ホスピスの病床数が少なく、受け入れができない。

と、たくさんの課題が解決できていない状況で、現実には沿わない。



番組での、がん拠点病院では、「治療の限界が訪れれば、病状が悪化しても、うちの病院では入院はできないことを、ご承下さい。」と、医師から患者に説明がなされていました。

治療できなくなれば、がん拠点病院からは、追い出されてしまう。

がん拠点病院から、一般病院に転院できたとしても、入院日数が増えれば、診療報酬が落ちるため、一般病院においても、短期間しか入院受け入れできない。

在宅医療の整備もなされてなく、自宅に戻ることも、困難。

結果、病院のたらい回しで、転々と、病院を移ることになる。

という現状が、映し出されていた。



抗がん剤治療に、効果が見られなく、治療の限界を、言われた患者さんが、自ら、別の、がん拠点病院を探し求め、治療をあきらめず、続けておられた。
でも、片道1時間半もの道中、ご自分で運転し、抗がん剤治療も、以前は、入院で受けられたが、今は外来で行われることが一般的になり(診療報酬の変更に伴い=入院しても、病院は儲けないシステムなため)、

動脈に針を射したまま、自宅に戻り、翌日、また、車を運転して、針を抜いてもらいに、病院に行かれていた。

抗がん剤治療は、副作用の辛さがある。
これでは、本人の体力、気力がなければ、治療を受けたくても、受けられないという現実だろう…。





私も、決して、他人事ではなく、現実、自分の身に起きて、悲しい思いを抱えてきた。

私自身も、『難病難民』の1人だからです。

数年前に、MS(多発性硬化症)で、大きな再発をした時、車椅子にも座っていられない、寝たきり状態になり、治療の効果がなく、2週間で、退院を言い渡された。
体は、元に戻っていない、大きな麻痺をした状態で、自宅に戻れと、いきなり言われた。

医師からは、「病院は、治療をする場所です。」
「あなたが、1つのベットを押さえてしまうと、他の治療が必要な患者さんの1人が、適切な治療が行われなくなる。」と、説明を受けた。

だからといって、医療ソーシャルワーカーさんなどが、適切なリハビリが行われる病院、または、療養型の病院を紹介してくれたわけではなく、在宅医療を受け入れてもらえる診療所や訪問看護にも、繋げてもらえなかった。

「患者と家族が、探して下さい。」ということだった。



治療の効果がなければ、何の用意ができる時間も与えられず、いきなり、「はい、すぐにでも、出て行って下さい。」と、まるで機械みたいに、病院から掃き出されてしまう。
私は、患者という物体ではなく、1人の尊厳を持った人間なのに。



だけど、綺麗ごとは言ってられなく、病院にとっては、国が打ち出した、医療費削減における、診療報酬改正(報酬の削減)の問題で、1人の患者の入院期間が、1日でも長引けば、どんどん病院側が医療費を持ち出さねばならず、赤字を抱えてしまう。
(病院に入る診療報酬よりも、患者に使われる医療費の方が高くなり、赤字となる。)

いくら患者さんの立場になり、病院で見続けてあげたいと、医療者として、判断したとしても、全てのケースにおいて、赤字覚悟で受け入れることは、到底できないだろう。



うちの主治医がよく言う。
「1人の患者に、特別扱いしてはならない。」

←1人の患者に、人間としての情を持ち、入院を許してしまうのはタブーであり、他の同じケースの患者に、提供できるわけではない。
あくまでも、医師としての、全ての患者に、平等に、見渡せる意識と判断力を、大切にするべきだ。…というお考え。

医師だって、診てあげたい気持ちを押し殺して、できる範囲で、今できることしか、できない現状を、目の前にしていくしかないのだ。
(私は、患者だから、医師の立場からの視点はわかりようがないが、一度、病棟主治医の先生から、退院の時に、「診てあげられなくて、ごめんなさい。」と、謝られたことがありました…。)



これは、がん難民のみに当てはまる問題ではなく、私のように、神経難病を患う患者なども、同じような問題を抱えている現状なのです。