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怒りの川田さん
全盲だから見えた日本のリアル
川田隆一/著
オクムラ書店

巻頭から、盲導犬への辛口批判から始まる文章に、最初は、正直、退いてしまったけど…。
読み進めていくと、そのリアルな現実に、あるあるありそう~!と、共感してしまった。

健常な方が、もしこの著書を読めば、『わがままな障害者』と言うかもしれない。
だけど、私は、実は、川田さんは、すごく謙虚な方なのでは?と、感じました。

本音を書くには、必ず、責任が伴う。
だけど、言わないと、一生、伝わることはない。
著者の方は、自分の言動に、大人として責任を持って、1人の人間として、日々生きておられるから、発言できることだな、と。
もしも、言うだけで、言動が伴わないならば、それこそ、「わがままだ!」と、日常で、健常者や障害者の、あちらこちらから、めった狩りにされてしまうだろう。

銀行のATM機のタッチパネルが、視覚障害者には、使えない。
だけど、紙幣の入れ口には、点字が付いていて、実は、何の役にも立たない、『なんちゃってバリアフリー』なんて、私は、全然、気付かなかった。

そういえば、よく行くスーパの、トイレ入口に、トイレ内の配置を、指で触るとわかるように、模型が壁に取り付けられてるのだが、視覚障害者の方は、その模型があることすら、気付くことはないだろし、いったい何のためなんだろか?と、思ったことがある。

駅のホームから、転落した経験がある、視覚障害者の方は、2人に1人が、ホームから線路への転落の経験がある。
と、耳にしたことがある。
点字ブロックを設置してからも、転落事故は、減らない。
もちろん、そのための、死亡事故だってある。
なのに、何の改善もされないまま、今も、危険なホームのままなのだ。

純粋に、どうして改善されないのか?
人が、亡くなっているのに…!!!
と、思わずにいられない。
それは、あの脱線事故に、結び付いてる気がしなくもない。

私には、知らないことが、たくさんあった。
障害を持った側から、発信することの、大切さを教えられた。

川田さんは、偽善が嫌いだから、本音で向き合って話して下さるのだろうか?
その本音が、障害者から健常者への、逆差別を、むしろ感じなくて、心地よく読めた。

差別は、『健常者から、障害者に向けられるもの』ばかりではなくて、その逆も存在する。
弱者を利用して、権利を主張したり、何を勘違いしてか、それこそ、わがままを主張する障害者も、存在するのだろう。
もちろん、健常者は、かわいそうだからと、障害者に、無条件に合わせなくていいのだ。
それこそ、差別だと思う。

どちらも、無理がない関係。
本音で、話し合える関係。
ちょっとした余裕を持ち、相手を受け入れられる関係。
優しさって、そういうのを、言うんじゃないか?