『繋ぐ日々に意味はあるの?
神様の暇つぶしの世界
 人に価値なんか無いでしょ。 死んでも何も変わらない』

生きてても死んでも
同じなら 僕は
『生きる』を選ぶよ。

いてもいなくても
同じでも
せめて何かを残すさ。


『怖い、曖昧な未来
つらい、いたいくらい過去 もう嫌だ、感情 塞いでしまいたい』

笑っても泣いても
同じでも
僕は泣くよ、笑うよ。

嘲笑 (わら)われて何度も傷付いても 
笑い飛ばしてみせるさ


『完全な僕じゃないとね 僕は僕を愛せないよ

うつろうものは弱いから 感情は邪魔になるだけ

なら 喜怒哀楽に意味は無いでしょ
 強くなれず苦しいだけ…』

感情は いつも 余計でも 
どこか暖かいもんだろ。


完全じゃなくて不安定なものを
〈心〉と呼びたいな

生きてても、死んでも
同じかは
生き抜いてから決めるよ


笑っても泣いても
報われなくても
そんな命を愛すよ

完全なもんなどもう
何も無くていいよ

等身大でいい、

そう、いいよ。 


『いいの?』


いいよ。


『いいの?』 

『いいの?』 いいよ。

はじめは
ちっちゃいコップだった

涙を溜めるのは
すぐに
溢れて零してしまうけど

ママが拭いてくれた

次はボウルに溜めたけどやっぱりすぐ溢れた

今度は自分で拭けたよ ひとりで後始末

ボウルは鍋に
鍋はバケツに
どんどん器は大きくなって

零しにくく溢れにくくなった だけど溢れたら大事になったから

後始末が大変だった 
だから
溢れる前に器を変えるよ

バケツはタライに
バスタブに
プールに 池に 湖に

それでも
足りない足りないよ 

ついに私はダムを建てた
私は
意地っ張りのダム職人

漏れないように壁を厚く
溢れないように壁を高く


ダム職人は大忙し 連日働きます

周りは心配してたよ

「たまに零してみたら?」

いいえ 零したら大変です 私は休めません

そんな日々の繰り返し 

さすがに疲れた
ダム職人は

少し出そう 少しだけ と 小さな蛇口を作った

蛇口をひねったけど一滴も出てこないんだ

おかしいな 壁を登って向こう側を見るよ
壁の裏側は干上がって

何もないよ何もない


やっと気が付いた 泣きたくてももう泣けなくなってたんだ

私は溜めすぎたダム職人

カラカラの目が痛いけど


楽でいいやって喜んだ

何だかおかしいな 
悲しいな

おかしいな
悲しいよ

泣きたいよ すこしだけ 潤んだよ
やっとひとしずく零れたよ 何にも溜めず落としたよ
それを見ていたらこみ上げて もう止まらない水浸し

それを
みんなは拭いてくよ 
優しさなんかなくても

誰か
濡らしたら拭くんだね きっと私も拭くだろうな
気付いたダム職人

意地っ張りのダム職人は ただの不器用さん

バケツ一つだけ残して やっと廃業した


ただ一つの 願い事

勝てない
賭けもここまでかな?


きっと 叶わない

変な自信があった



もう自分でも
分からない

どうして今でも


好きなのかな?


きっと 変わらない
強い想いがあった



声を聞かせて欲しい

あなた見失わない様に


こわれちゃえばいい
ずっと思ってた

重くいやらしい

悲しい笑顔

ときどきは思う
今時こんなに
けなげな子はいないよ

バカなあたし こぼれた涙


心はもう 渇いてるのに
流す涙は
漏れないんだね?


ずっと 止まらない 



流し続けた



手に触れていたいの

想いが離れない様に


世界が全部消えてなくなればいいと

二人の瞬間

本気で思った


息も出来ない程
綺麗な夕焼け

二人の世界で 

そう思っていた
そう願っていた


心が
べちゃんこに


なっても


諦めらめられない


人から見たら みっともなくても


誰にも動かせない
この気持ち


重くいやらしい

悲しい笑顔


ときどきは思う
今時こんなに

けなげな子はいないよ


バカなあたし


こぼれた涙