質の高い比喩 | 甲羅に似せて

甲羅に似せて

蟹は甲羅に似せて穴を掘るそうです。私も日々の想いを
蟹が穴を掘るように綴っていけたら・・・。

ブログネタ:好きなジブリ映画は? 参加中

「崖の上のポニョ」公式サイト


「ナウシカ」は殿堂入りとして、やはり他を大きく引き離して魅力的な作品は、「千と千尋の神隠し」ではないでしょうか。


2001年の作品なんですね。その頃、子ども達は、小6と小4。ぜひ観に行きたいと、全員一致で決まって、家族で映画館に行きました。観ようとした回は満席で、次回を観るために延々続く行列は、階段の上のほうまで続いていました。


見所は、なんといっても色彩の美しさと、動きの見事さ。始まった途端、物語世界に惹き込まれました。


そして、比喩的な表現に、自分に引き寄せていろいろ考えさせられる質の高さがありました。

勝手に店のものを食べて、豚に変えられるお父さんとお母さん。

名前を奪われる千尋。

こどもでも、働かなくてはいけないこと。

人の欲しがるものを出して、欲しがった途端飲み込んでしまうカオナシ。飲み込んだ人のことばでしかしゃべれない。

巨大な赤ちゃん、ぼうや。

ゆばあばとぜにいばの双子は、1人の人間の二面性を表しているような気もします。


知り合いのおかあさんが、「ジブリ映画には、もののけ姫にしても、千と千尋にしても、ストーリィがあまりないよね。」と言うのを聞いて、「えっ、そうだっけ?」と、びっくりしたことがあります。


そういえば、私が圧倒されたのは、絵や色彩の素晴しさであり、動きの見事さだったなあ、でもそれだけだったかなあと、しばらく考え込んでいました。


確かに、わかりやすく筋の通ったストーリィではないけれど、圧倒的に魅力的な物語世界を作ることには成功しているし、そこには伝えようとするメッセージもあったんじゃないでしょうか。


八百万(やおよろず)の神という考え方は、外国にはなくて理解されにくかったようですが、私には、他の国の神様より、とてもなじみがあるなあと感じます。

日本的なものって、普段そんなに身近にない気がしていましたが、小さい頃読んだ民話とか、母親の話なんかを聞いているから、自分の中に違和感なく入ってくるんでしょうね。自分の中にある日本を再発見した気分でした。


原作の「霧の向こうの不思議な町」も読みましたが、これを読んで、あの映画を作ったなんて、すごいなあと、改めて感心しました。原作もいいけれど、そこからのふくらませ方が独創的です。


主題歌の「いつも何度でも」も、折に触れて歌ったり、楽譜を見てピアノで弾いてみたりと、映画を観終わってからも、随分長い事、余韻を楽しんでいました。


観ている人に、いろんなものを投げかけていて、受け取った方も、自分の中に眠ってるものを呼びさまされるような、そういうインスピレーションを与えてくれる作品だったと思います。