小草若さんのふるさとを奪ったんだろうかと小梅さんに言う喜代美ちゃん、切ないなあ。徒然亭のあの家に住み、草々さんが草寂の名を継ぐ事は、小草若さんのふるさとを奪う事になるという考えにいたった彼女の心情は、当たらずとも遠からず、辛いものがあります。
ふるさとは、なくならないと小梅さんは言います。打ち消しても、忘れようとしても、自分にとってのふるさとは心の中にいつもあるということでしょうか。
魚屋食堂に来た清海ちゃんは、焼さば定食を食べる小草若さんを見つけて、びっくりします。
なんだ、まだ小浜にいたのね。
落語家をやめたと聞いて、清海ちゃんは、今、製作所の仕事を手伝っている自分の近況を話します。始めは嫌だったけど、夢を実現しているB子を見て、自分もがんばろうとやっていると、前にやっていたテレビの仕事も少しは役に立つのだとか。塗り箸フェアにもぜひきてほしいと、誘います。
勝手な考えなんですが、清海ちゃんと小草若さんがカップルになったりして・・・なんて思ってしまいました。前に正平君と清海ちゃんが再会した時も、ちょっと思ってしまったんですが。
でも、小草若さんには、製作所の仕事はにあわないなあ。脱線しました。
塗り箸フェア当日、なんと、小次郎さんは本当に五木ひろしを呼んだんですね。よく200万位で来てくれたなあ。
何故五木ひろし?と前から思っていたのですが、小浜出身なんですね。
五木ひろしが来ているとは知らずに、喜代美ちゃんは創作落語で、ひろしをネタに面白おかしく話を広げて笑いをとります。
控え室でムッとし始めたひろしにあわてて、小次郎さんは、喜代美ちゃんに落語をやめろと言いに行きます。
来てくれている小草若さんに向けて、これからが帰って来てほしい気持ちを込めた渾身の創作落語のクライマックスになるはずが、ひろしが来るの来ないので、高座はめちゃくちゃ、お客さんの気がそれてしまいました。
小次郎さん、キャラを絶対裏切りませんね~。ここまで気持ちが裏目に出るとは、落語より面白い出来事になってます。ちゃんと小浜のために200万円使ったのは評価しますが、死に金ですがな~。
サプライズとはいえ、せめて主催者には伝えとかないと、せっかくの親切があだになってます。
小草若さんはというと、小浜の市民会館に入ってきたところから、なんだかここに来たことがあると考えています。幼い頃、父、草若師匠につれられて来た、喜代美ちゃんのおじいちゃんの思い出の落語会のときだったんですね。しかも、ひろしの歌のBGMと思って持ってきたカセットが、そのときの師匠がかけた「愛岩山」とは。
喜代美ちゃんが泣き叫び、みんながワーワー慌てふためいている中を通り、ふわっと高座に上がる小草若さんの姿が、かつて落語を捨てながら、弟子達が開いた落語会に、ふらっと高座に上がった草若師匠の姿がダブります。
何かが、吹っ切れたように「底抜け~」な落語を陽気に始めて、小草若さんは一気にお客さんの気持ちを捉えます。
思い出したんでしょうか。小草若さんの心の中にあった、もともとの落語に対する想いが、いろんな偶然が重なり合って、跡取りの重圧をもくぐりぬけて、表にひょっこり顔を出したんでしょうか。
小草若さんの心のふるさと。それは、草々さんがやってくるよりもっと前の、幼い自分にとっての、父と自分をつないでいた落語の存在だったような気がします。草々さんになくて、自分が持っているものがあった。
・・・もう大丈夫。そんな気がしました。