「俺、落語家なんかになる意味、あったんやろか・・・。」
普段にぎやかで元気な小草若さんが、肩を落としてこんなことを言うなんて、せつないです。
弟子入り申し込みの電話に出た喜代美ちゃんが、「奥様ですか?」とか言われてまた有頂天になりながら断って電話を切ると、そこには久しぶりに小草若さんが。後を追うように仏壇屋の菊子さんが訪ねてきます。
菊子さんは、小草若さんのことをひとし、ひとしと話しかけて、まるでお母さんのようですね。他の人よりとても距離が近い感じがします。
他の兄弟子たちにしたように、喜代美ちゃんは悩みを小草若さんにも相談します。「そんなの俺に聞いたって・・・。」と小草若さん。「兄弟子なら当然でしょ。」と菊子さん。そこぬけの流行が去ってからの小草若さんはなにかと自信なさげで、お母さんが病気になったのさえ、自分のせいではないかとマイナス思考が止まりません。
ここで、なんと「底抜け」誕生秘話スタート。お母さんの初七日に遅れてきたお父さんを、「こんな日にどこ行ってた。」と怒って立ち上がった小草若さんは、足の痺れでひっくり返り、その恥ずかしさを隠すためにとっさに「底抜けに痺れましたがな。」と振りつきで答えます。
師匠はこれに大爆笑で、「これは流行るぞ。」と自信たっぷりに言います。
「流行ることを予言したなんて師匠ってすごい。」と言う喜代美ちゃんに、「言葉が流行ると予言したんじゃなくて、その芸風がひとしにぴったりだと師匠は思ったんでしょう。」と菊子さんは言います。
菊子さんは、小草若さんの一番の理解者でもあったんですね。お母さんも亡くなり、師匠も師弟関係でしか物が言えない中で、菊子さんは小草若さんをひとしという昔から知っている近所の男の子として見守ってくれていたんだなあと、2人の関係がよくわかりました。
弟子達のことがあんなによく見える草若師匠も、自分の息子となると見えなくなる部分があったんですね。自分という師匠がいることが息子の重荷になるという師匠に、糸子さんは、「でも、落語家になってくれてうれしかったでしょう?」という親としての気持ちを聞きます。
「そりゃもう。」と、そのときのことを思い出した師匠は、子どものようにうれしそうに笑います。
「前の日に言えば、お祝いが1回で済んだのに。」というそっけない返事で、席を立った後、おかみさんと抱き合って喜んでいたとは。小草若さんのそのときの決意を思うと、なぜ目の前で師匠は親の顔を見せて上げられなかったのかと、胸がつまります。
その後も、師匠が他の弟子達の手前厳しく接したことで、今の小草若さんの強いコンプレックスが出来上がってしまったんですね。なんだか歯がゆいなあ。父と息子ってそういうものなんでしょうか。
以前の明るい小草若さんに戻ってほしいです。・・・そのためにはどうすればいいんだろう。やっぱりコンプレックスのもとに立ち返って、誤解を解くことから始めないといけないのかなと思います。
でも、師匠のあの様子、かなり危険です。もう、あまり時間は残されていないのかもしれません。
神様、なんとか2人に時間をください!!!