実際にあったはずなのに、今ではその存在を確認できないもの。ヒトはそれを「まぼろし」と呼ぶ...というワケで、突如として今ここに!名づけて「まぼろしレビュー、リターンズ」。今回復活させますのは、他サイトでも取り上げられた...この方のあのレビューでゴザイマス。
(オリジナル掲載:2009年4月|加筆・修正:2015年4月)←ほぼ全面書き直し
春もたけなわ…皆様いかがお過ごし?5月のおコエを聞く時分にもなれば、それこそ初夏の風情が押し寄せてくるというものヨ。暖かでココチE、いかにも「春」然とした時期というのは、意外と短いものでゴザイマスよね。それはそうと「春」と言えば、いの一番に思い出す曲がコレ。ってことで、今回は今でも愛らしいままの、この方が放ったあのハルウタをレビュってみたいと思うのでありまする。
表題の「春ラ!ラ!ラ!」は、石野真子嬢のシングル第8弾として、1980年1月1日の元旦に発売された楽曲。それこそ、この楽曲は真子さんのアイドル歌手時代を語る上での重要曲!そそっ、いわゆる代表曲と呼ばれるものでもあるのだが、本曲を語る際に必ずやその話題の中心となるのが、歌詞だったりもする。
まぁ、とにかく本曲に携わった布陣をザっと確認してみることにする。
作詞:伊藤アキラ 作曲:森田公一 編曲:竜崎孝路
どのお名前も70年代を中心として、頻繁にお見受けしたものばかり。伊藤&森田コンビと言えば、日本香堂の「青雲」♪しあわせのあおい~くも~とか、コドモ向けソング「南の島のハメハメハ大王」など、必ずやどこかで耳にしたことのある曲がズラリンコンのコンビ。アイドル歌謡に目を向けてみると、アパッチの「あまったれ」も同コンビの作品だったりもする。そんなトコロからも、今回の表題曲が一筋縄ではいかないソレ…といったスイソクがアタマをもたげてくるというものヨ。
「春ラ!ラ!ラ!」はその発売日からお察しがつくとおり、まだ冬将軍が居座っているような寒い時期に唄われていた。しかし、1月1日となるやいなや、テレビ番組では「新春」と叫びだしてとても華やかな色彩に包まれる。そして、それまでインディゴに染めあげられた「聖夜」的な風情は、一気に払拭されていった時期である。それこそ暖かなピンク色の春を、アイドルの石野真子嬢が花束を携えながら連れてくる!そんな春待ちの期待感とワクワクする気持ち…この曲にはそのようなものがたくさん詰まっていたように思うのである。軽やかで屈託のないサウンド、アイドル然としたフリツケ、真子嬢の愛らしい笑顔など、これら多くの魅力と相まって、彼女の代表作になったのも頷けるというものヨ。
さて、それでは本曲が語られるにあたり、いつもその話題の中心になるという歌詞を拝見いたしまショ。
♪春という字は 三人の日と書きます
あなたとわたしと そして誰の日
あなたとわたしと そして誰の日
この部分は漢字を覚える義務あり小坊クンたちには、お誂え向きかしらネ…“春”という漢字を頭に叩き込むにはもってこい!こんな風に説いてくだすったセンセイもチラホラとはいらっしゃったのかしらん、ナゾ。ここから更に遡った昔には、英語のスペリング記憶用として♪V・A・C・A・TION~という、かの有名なオールディーズポップ(「ヴァケイション」)も利用されていたらしいが、その時代のことはよく知らん。(笑)
でもって三人の日と書いて“春”とキたもんだ!いやはや、さすがは伊藤アキラ先生でゴザイマスよね!気づきそうで気づかない箇所にお目々をつけられました。たしかによく見れば、そのような構成で形づくられた漢字。しかし、ココで気になるのは“三人の日”というお言葉…この時点ではソレがナニを意味しているのか、サッパリコンコン状態なのは言うまでもない。かろうじて「あなた」と「わたし」、そしてあともうひとりの存在が、ぼやかされながらも出現しているのみなのである。
♪あなたが好きになる前に ちょっと 愛した彼かしら
会ってみたいな 久しぶり あなたも話が合うでしょう
会ってみたいな 久しぶり あなたも話が合うでしょう
ふむふむ…どうもこの“ちょっと愛した彼”ってのがネ、クセモノ。どうにもその“三人の日”とやらにおける3番目の座に該当されるお方?ただ、なんで今さら会ってみたいと思うのか、また、現在進行形の彼とわざわざ引き合わせたいという理由はなんなのか、まったくもって意味不明なのでありまする。(笑)
♪三人そろって 春の日に 三人そろって 春ラ!・ラ!・ラ!
何かはじまるこの季節 三人そろって 春ラ!・ラ!・ラ!
何かはじまるこの季節 三人そろって 春ラ!・ラ!・ラ!
前半部分がエンドろうとするのにもかかわらず、意味の分からん状態は続くよどこまでも。ただひとつ明確になっているのは、三人そろって春ラ!ラ!ラ!~とばかりに陽気にはしゃぎまくるお姉さんの存在…コレだけなのである。
コレではとてもじゃないけど埒があかず、2番の歌詞もカクニンしてみることにした。
♪けんか別れをした人も なぜか今ではなつかしい
ここから察するに、その“ちょっと愛した彼”とは、けんか別れという結末を迎えていたことが見て取れる。かつては愛し合ったお二人。だけれども、何かが引き金となってけんかへと発展。そしてその行き着く先が別離だった模様。だけれども、このように「懐かしい」と思えるぐらいならば、ソレはさほどの修羅場ではなかったと勝手にスイソクしてみたり。(笑)
しかし、主人公がけんか別れしたという元彼を、懐かしむキモチは分からないでもない。が、現在の彼とのお引き合わせを企てる必要性に関しては一切合財のナゾ。しかも、話が合うかどうかの根拠とやらは、一体どこからやって来てるのか?彼女の独断と偏見にしてもかなり身勝手なソレでもある。(笑)
この意味不明で解読難解な歌詞こそが、本曲を「ヘンな曲」として認識させる最大要因なのかと。森田センセイが紡がれた、春爛漫のウキウキするようなメロディーとは裏腹に…この歌詞の意図に関しては?(ハテナマーク)が飛び出しちゃうのヨ~(←どっかで聴いたような)といったトコロでありまして。
ただ、このようなシチュエーション…それこそワタクシメが生息するような海外の、比較的あっけらかんとしたおヒトが住むお国でなら無きにしも非ずかナと。しかし、国土も風土も人々も…ウェッティ気味なジャポンではねぇ…どうなのかしらん。昨今では渋谷区の新条例の件もあるしで…多少は変わってきているのカモ?それにしても、元彼と現彼を無理やりに引き合わせ、桃の花咲く木の下で春ラララする理由…見つかりませヌ。まぁ、そのテの同好の集まりで、姫はじめとしての○Pを嗜むってのなら分からなくもないけんど…したくないワ、そんなん。(笑)
そして主人公は、あっけらかんと...こんなご発言までカマす。
♪あなたが嫌いなわけじゃない |
ちょっと…なによコレ。嫌いなわけじゃない…って不明瞭極まりなくってヨ。だって嫌いなわけじゃないって…どういう風に捉えたらよいのか、ナゾ。現彼は大して好きでもないけど嫌いでもないっ…てな中ブラリンコン状態?コレがまさにこのお歌の主人公を「とんでもないム・ス・メ」呼ばわりさせとる原因なのでは?この汚名を返上するには、ソレ相応に説得力のあるストーリーが必要!ってことで、こんなん「い・か・が」?
実はこの度、現彼がそのスジのお方と発覚…おまけに前彼も左に同じ世界で生きる人だったとしたら。この設定ならば…
●ちょっと愛して終わった理由
●けんかで幕を閉じたお付き合い
●けんかで幕を閉じたお付き合い
これらのつじつまも合ってくるかと。でも彼女としたら、その当時は騙された~という被害者意識でドップリ。しかし、そのスジに関しての理解はすんなり出来るおこげ的な女子。そんでもって元彼のことを改めて思い起こして見れば、「なかなか正直でいいオトコだったしぃ、久しぶりに会ってみたい気もする」と。おまけに「あら?現彼のご趣味にも合いそ?やだぁ、じゃあアタシがひと肌ぬいでキューピットしちゃう。」それこそお日どり良さげな春の日に、桃の木の下♪春ラ!ラ!ラ!~っとネ。
はっきり言っておせっかいのナニモノでもない気もする。が、この解釈をもってすれば、主人公の評判は多少の向上となるはずである。主人公を擁護するには、もうこのストーリー仕立てしかないのでは?しかし、この妄想…まんざらでもなさげでありまして。
●桃のお花=濃いめのピンク色 (←ソチラ組の方のお色として定着済?)
●なにか始まるこの季節 (←お見合い成立の伏線?)
●なにか始まるこの季節 (←お見合い成立の伏線?)
それこそ赤絨毯でも敷いてパっと○イデリア~とイキたいトコロ。現彼と元彼におきましても♪恋愛地方~本日晴天ナリっ?ってな雰囲気。またぁ、そんなアホな…あまりにも悪ふざけがすぎやしませんこと?おっ…でもちょっと待った!
♪理由(ワケ)をあなたに話したら お前が悪いと言われそう
こっ、これには…アセが止まらず!
前回といい今回といい…二度に渡りそういうのに引っかかったお前が悪い!と責めたてる現彼のおキモチ描写がキタか、もしかして。この節によって、ワタクシメの駄妄想における信憑性すら増してきそうだからコワイったらありゃしない。ってか、そうだと自覚していながら女性と付き合った男たちに問題アリでしょ、こんなの。(笑)
ささっ、コレを読んでくださっている皆様。おヒマならこの件について…ちゃ~んと考えてみてネ!!(笑)
100万ドルのホ・ホ・エ・ミ | 文句ナシにキャワゆい真子嬢 |
本曲はオリコン最高16位、登場週数15、16.0万枚を売り上げ、名実ともに石野真子嬢の代表曲に成り上がった。この曲でTBS「ザ・ベストテン」にチャートインしたことも今ではナツカシイか。本曲を唄いあげる真子ちゃんのそれは可愛らしかったこと!しかし、ソコに出演することができたのは、本作と次作「ハートで勝負」の2曲だけ。コレはちと淋しい記録とも言えようか。しかし、70年代後半という時代は、アイドル歌手にとって実にキビシイものだった。なにせニューミュージック(略してNM)と呼ばれた勢が台頭し、世の支持を集めまくていた頃だからである。このような時代を駆け抜け、80年代の幕開け一発目として放った本曲…それらお成績はかなりごリッパなものではないかと。時代背景の考慮ナシに「売れてない」とか…言わないでほしい。
発売時に井上望&岩崎宏美嬢と共に掲載された広告。80年代ウンヌンという割には、70年代を引きずったサウンドか。しかし、明るく楽しく、キャワゆくて...名実ともに真子さんの代表作! |
それにしても伊藤アキラ先生…やりますナ。当時この曲を見聴きしていたワタクシメは、まだ幼き小坊。その頃は真子ちゃんの可愛らしい見た目のトリコになり、明るい春の歌だナ…こんなことぐらいしかアタマには浮かばなかったorz。思えば遠くへ来たもんだ…アラフィフともなりゃ、それ相当にアタマもこなれるものか。またソレと同時に薄汚れ感もハンパなくなってくるから「困るのことヨ」。(笑)そんな時はネ…
♪桃の花咲く 木の下で |
ストリングスの音色美しき、胸キュン!メロにて心のお洗濯…「ハートウォッシャー」しちゃいましょ、ねっ!まぁ、つべこべ言わずに「春ラ!ラ!ラ!」。石野真子嬢の可愛らしさ、そして屈託のないサウンドを十二分に堪能しながら素直に拝聴するっ!コレが一番ヨロシュ~ゴザイマスよ。って、散々ぱら下らんこと書きなぐっといてなんだヨ!ってな怒号もチラホラか。
♪お前が悪いと言われそう |
さようでゴザイマスか。ほんじゃひとまず、春ラ!ラ!ラ! 能天気ぶって退散しときまショ。(笑)
☆作品データ
作詞:伊藤アキラ 作曲:森田公一 編曲:竜崎孝路(1980年度作品・ビクター音楽産業)
作詞:伊藤アキラ 作曲:森田公一 編曲:竜崎孝路(1980年度作品・ビクター音楽産業)