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禁断症状とは…

中毒性のあるなにかにより慢性中毒を患ってしまった者が、急にソレを中断した場合に起こす精神的、身体的症状

コレである。その要因となるモノはさまざまであることは、コレを読んでる皆様もご承知のことかと思われ。しかも“惚れた腫れた”というアレにも、こういう症状を引き起こす要因があるから厄介なものである。症状のヒドい方になると、ソレが原因で堕ちるところまで堕ち、非常にデンジャラスな状態と化してしまうこともあるから要注意が必要かしらん、ナゾ。といっても容易く「コントロール」できるものであるのならば、そんな問題は生じないワケでゴザイマシて。

それはそうと、80年代アイドルポップスにもそうした症状と悪戦苦闘を繰り広げるお歌がゴザイマシタよね。今回はココにコジつけさせていただき、あの方が放ったこの1曲をレビュってみたいと思うのでありまする。

表題の「デンジャラス・ゾーン」は三井比佐子嬢のシングル第2弾として、1982年9月1日に発売された楽曲である。

三井比佐子嬢と言えば、北原佐和子、真鍋ちえみという、モデル事務所(オスカー)に籍を置く見た目的にも上々なお嬢さん等とともに組んだパンジーというユニットの一員としても知られる方。パンジーは当時“女たのきん”とも呼ばれ、芸能界では猛威をふるうソレになるのではないかとの予報が出されていたもの。しかしフタを開けてみたら商業的には見事にカラぶり~となってしまったこともあり、その失態劇によってキオクに色濃くとどめられている~なんて方も多いのかと思われ。

本レビューの主役、三井比佐子嬢はパンジーにおける3番目の娘というフレコミにより、同年6月1日に「月曜日はシックシック」という曲で満を持しての歌手デビュー。オリコンでは最高93位、100位以内には5週、200位以内との合計で13週も留まるなど、コアなファンのハートをムギュっとわしづかみにした比佐子嬢。このデビュー曲に関しては色々な意味でとても有名になっているようであるからして、ココでの詳しい解説はハショらせていただくことにする。

そんな比佐子嬢の次作だものネ、期待せずにはいられないといトコロでありまして。表題曲の作家陣はデビュー曲のソレとまったく同じ布陣、作詞は高平哲郎氏、作曲は筒美京平氏というコンビ。高平氏は「笑っていいとも」などを手がける放送作家さんとしても著名であるが、アイドルポップスの世界では比佐子嬢の作品くらいでしか、そのお名前を見つけることはできない。そもそも高平&筒美という妙なコンビがどのような道程により実現し、なぜに比佐子プロジェクトに関わることになったのか…色々と知りたいことは尽きないものでゴザイマスよね。

とにもかくにも…ひとまずソレはさておき、肝心のレビューを進めまショ。

♪ヂャララ ヂャララ ズ ダンダ ヂャラヂャラ~

膝をカックンカックンさせながら、思わず比佐子嬢と一緒に踊りたくなるようなイントロ。なにか素晴らしいことでも待ち受けているかのようなワクワク感とノリの良さで満載である。京平センセイの作品であるからして、コレもどこかにその下敷きがあるのかしらネ、ナゾ。

♪恋することが 危険なのは知ってるの
 だから これまで
 こどものあそび おしまいだとかんじるの
 だから サヨナラ

そのワクワク感に反比例するかのごとく、一転して否定的なムードへもってく比佐子嬢。イントロではあんなに元気ハツラツだったのに…。一体この主人公の身にナニが起きたというの?

それにしてもココで使われているピュ~↑とかシュ~↓とかいう効果音。なんだかコレ…身に覚えがゴザイマスの。たしかあの時は風邪をコジらせまくり、普段は飲まないような強めのお薬を服用した際、夢うつつとなった脳裏で炸裂したサウンドに…似てるのよネ。アレはなんだったのかしらん…アブナイアブナイ、まさにデンジャラス!アレが過激化すると○薬とか○せい剤と呼ばれるソレラを常用することで現れる白昼夢?というモノになるのか。やはりお薬というモノは使用上の注意をよく読んで正しく使わないとネ。(笑)なにはともあれ…

♪これいじょう わたしのことを こまらせないで
 だから おねがい セフティー・ゾーンでつきあってね

えっ、…コレでおしまい?短すぎてナイヨウがナイヨ~!ってこのセリフはたしか前にもどこかのレビューで吐いたような気もするのだけんど?

♪立入禁止 立入禁止
 ここから先は はいっちゃダメダメ
 デンジャラスだぞ
 立入禁止 立入禁止
 もうこれいじょう わたしのことをこまらせないで
 だから おねがい セフティー・ゾーンでつきあってね

あっ、まだ続いていたのか…早合点しちゃってゴメンなさい。(笑)それにしてもどこからどこまでがサビなのか、まったくもって摩訶不思議な曲である。終わったと思ったらまだ続いてて…起きあがり小法師(コボシ)みたい。

まぁ、ソレはさておき…これまでの歌詞から受ける印象によれば、このお歌の主人公…色恋沙汰から身を引こうとしている?なぜならソレはセーフではない行為であり、すなわちデンジャラスとなり得るからして…という証明を自らでやってのけ、自己円満解決へ事を運ぼうとする無理ヤリ感が見え隠れ。ここから先はダメ!立入禁止ヨ!と防波堤をこしらえて清い男女交際を幾度となく考えてはみたものの…完全に断ち切るおつもりはないご様子。その本音とやらが…

♪だから おねがい

このクダリにおけるコーラス隊のお姐さま方のソレにお耳を傾けていただければ…

♪(ユゥノウ~)(アイ ウォンチュ~)

合点!ということになるのかと思われ。英語が不得手という方のためにおせっかいながらも説明を加えておくと…

♪(えっと だから そのね)(あなたがほしいの)

という意味になるからである。コレをお相手(男性)の叫びと解釈するムキもあるが、その場合は男声コーラスの方がナチュラルであるからして…やはり主人公さまのココロのお声?(笑)

♪あぶないゲーム やめられないと
 かんじたの だけど サヨナラ

どうやらこのお歌の主人公、惚れた腫れたの恋のお遊びにどっぷりハマってしまい、すっかり患っておられる模様。ダメダメ困らせないで!と言いつつもアイウォンチュ~なんだもの…建前では「こんなことダメ」、本音では「ガマンできないわ」という葛藤にもがきまくるというアレ。要はソレって…完全なる禁断症状でゴザイマスよね、おそらくは。(笑)それでも諸症状に逆らうよう必死に清純を取り戻そうとするあたりに、アイドルとしての誇りを見た!という感じが無きにしも非ず?

それにしてもコーラス隊の姐さんたち…ハリきってますな。彼女らのソレは比佐子嬢におけるミルクキャラメルように甘い歌声をよそに…どんどん凶暴化。曲中2分40秒あたりのクダリからはソレがどんどん顕著となり…

♪立入禁止(スタァ~ップ スタァ~ップ)

♪立入禁止(アァ~ウォ アァ~ウォ)

♪立入禁止(スタァ~ップぅ スタァ~ップぅ)

♪立入禁止(ギャぁ~~~オゥ)

文字として書き表せないほどの奇声を発するほどに。そういう症状を患うと、理性もナニもどこかにスっ飛んでしまい、こういうお声を発するハメに陥るのかしらん、ナゾ。おまけに…

ピ~ポ~ピ~ポ~ピ~ポ~

救急車まで出動中って…一体なんてスゴい歌なの、コレ。(笑)凶暴化ならパトカーの方が適切だったかとも思うけんど、まぁ、アソコも患っている?ということを想定しての救急車両出動と相成ったのかしらん、ナゾ。ってか別にこれら猛獣のために呼ばれたものではなく、禁断が出まくってる主人公さまのためにお呼びしたモノでは?編曲された船山基紀センセイ、真意のほどは?(笑)

と…なんだかんだ書いたところで、この曲がスキでたまらないワタクシメ。それこそ日に一度は聴かないと禁断症状が…というのは冗談でゴザイマスがネ。このチューンはヒットメーカーとして知られる京平センセイがお作りになられたものだもの、駄作なワケがありませぬ…というフォローアップの割りにこのレビュー内容?それこそセフティー・ゾーンもなにもあったものではないといったトコロ。でもケなしてるワケでもなんでもなく、ホントにスキなんだから…ノリノリで覚えやすいメロにユニークなアレンジ、とろけるように甘い比佐子嬢の歌声…と書けば書くほど弁解がましくなるから困るのことヨ。クチは災いの元…まさにデンジャラスでゴザイマスよね。(笑)

この曲はオリコン…記録が見当たりませぬ。デビュー曲では健闘を見せていた比佐子嬢だったが、この曲ではどうやら圏外も圏外…撃沈しまくってしまったようである。デビュー曲に負けず劣らず、こちらもクセになる中毒性をはらんだ楽曲であり、ソレと比較しても出来栄えの点で劣るとは思えず、クビをかしげざるをえないものだが。この結果が要因となったのか、比佐子嬢の歌手活動は先立って発売されたアルバム1枚とコレにて終焉となってしまった。

比佐子嬢に関してはネット上で色々と…ココロないことを書きたてておられる方もチラホラで、コラっ!たしかにお声が歌手向きのソレでないことに関してはクビをタテに振らざるをえないトコロでゴザイマシて。しかも必要以上にお声が大きいってのも^^;。しかしながらこの美貌を見よ!

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表題曲のプロモ広告。ニックネームはチャコ。「強力第二弾!」にウソ偽りはないようで(色々な意味で)。このプロモ広告は2週に渡り堂々掲載!ゼニはかかっていた模様。

パンジーの中ではイチバンの美系べっぴんさんであることは一目瞭然といったトコロ。それこそ和服美人にでもなりそうなお顔立ち。フリツケに関しても教えられたことをキッチリと実行する、とても素直で従順な性格の持ち主と見た。これだけのフリを笑顔キープでやってのける…簡単そうに見えて意外と難しいことこの上ないものでゴザイマシて。ソレを小気味よくきちんとカマせていた比佐子嬢…実はなかなかの才をお持ちだったのでは...と。

♪ここから先は はいっちゃダメダメ デンジャラスだぞ

こういうことを書き連ねると色々と...アブナイアブナイ、これまたデンジャラス?比佐子嬢のために援護射撃はカマしつつも、そんなゾーンにハマりこむのはゴメンこうむりたいもので、今回のレビューはこの辺りでお開きとさせていただきたく思うのでありまする。(笑)

☆作品データ
作詞:高平哲郎 作曲:筒美京平(1982年度作品・VAPレコード)