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超合金と言えば…コレを読んでるワタクシメと同世代、もしくはもうチョイ下の世代の男性諸君(いわゆる昭和ボーイたち)であれば、一度は手にして遊んだことがある!なんて方が多いのかと思われ。かくいうワタクシメもソレにドップリコンコンと親しんだクチでゴザイマシて。中でも幼稚園の時、怪我により長期入院を余儀なくされた際には、お見舞いに来てくださった方々からたんまりと超合金玩具をいただいたもの。

そもそも玩具の世界で超合金と呼んでいたものの素材は亜鉛合金を用いたダイキャストパーツとABS樹脂パーツを組み合わせて加工した金属であり、コレを採用したポピー(現:バンダイ)が1974年に少年を対象にして超合金と名づけた商品を発売。当時人気を集めていたロボまんが「マジンガーZ」(←そもそもこの作品に出てくる超合金Zからヒントを得て製品化されたらしい)や「ゲッターロボ」、そして「かんばれ!ロボコン」や「サンダーバード」などからのラインナップにて発売され、ズッシリと重く高級感を漂わせる風格により一世を風靡した玩具となったもの。なんでもかんでも後生大事に保存するワタクシメ…当時に頂戴したソレラをまだ箱付きで保存しておりますの、もうかれこれ40年モノってことになるのかしらん?それこそ年に一度のニッポンお里帰りの際にゃ、価値の分からぬ何者かの手(笑)により廃棄処分されてないかどうかのパトロールも慣行!といった念の入れようだったりもして。(笑)

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キラリと光るメタルなボディ超合金にZokkon!ボクもだ~いすき!

それはさておき亜鉛合金などのメタル素材が話題になったところで思い出すアイドルと言えば…そそっ、80年代のニッポンアイドル界にだっていたのでゴザイマス。今回はココにコジつけさせていただき、あの二人組みが放ったこの1曲をレビュってみたいと思うのでありまする。

表題の「センチ・メタル・ボーイ」はキララとウララのデビュー曲として、1984年8月1日に発売された楽曲。この頃のニッポンアイドル界と言えば、80年組、そして82年組と呼ばれる多くのアイドル歌手たちがまだまだ幅を利かせており、新曲を出す度にヒットチャートのトップテンへと送り込んでいた時代である。それこそ相撲の番付表に例えてみれば、横綱から小結クラスくらいまでがソレラ年代の多くで占められていた…という状態である。こうした時代になると、よほどのインパクトや際立ったキャラがないとその牙城を切り崩すことができない!という、いわば産声をあげたばかりの赤ん坊アイドルたちにとっては非常に不利な戦国図と化していたのである。

こんな状況下で70年代後半にピンク・レディーの成功で大儲けしたビクター音楽産業が、自信マンマンで送り込んできたとおぼしきユニット、ソレが本レビューの主役であるキララとウララだったのである。だってサ、強気でなければ↑のような中途半端な時期でのデビューにはしなかったであろうヨと仮定してみたの…だけどもしかしたらコレは自信があったか否かは特に関係なく、単に夢よもう一度とばかり?先人のその成功例にあやかってみただけなのかもしれないけんど。(笑)

その遅いデビュー日、ビクター、二人組(しかも幼なじみ)とくれば…やはりピンク・レディーの影がいやがおうにもチラつくワケでありまして、キララとウララのデビュー曲もソレを彷彿とさせるような、これまた“宇宙モノ”で勝負をけしかけてきたのである。

♪水金地火木 土天海冥(スイキンチカモク ドテンカイメイ)

のっけから(人間が勝手に想像する)宇宙人のソレ?とおぼしき加工声で幕開け。そしてソレにのっかるはシンセピコピコピロピロ…当時人気を博していたテクノと呼ばれるサウンド。この曲を担当した作家陣は、作詞家に当時ノリにのっていた売野雅勇センセイを、作曲ならびに編曲家にはガンダムがらみのロボものヒットで歌手としても実績を残されていた井上大輔センセイを起用。といっても普段はこういうテクノアレンジはされない方だったからして、このテの編曲作業にはかなり手間取られたのではないかしらん?と勝手に推測してみたりもする。まぁ、作家陣に関しては前成功例にならい、阿久&都倉としなかったことはひとまず評価しておきたいトコロか。(笑)

TV画面に映り出されるキララとウララのお二人といえば…

カワイイ侵略ハジメマス

地球にそっくりなララ星というトコロから、地球侵略のためにやってきた!というのがはるばると地球に飛んできた理由とか。そしてそのいでたちとやらが歌衣装として着用されている蛍光カラーで彩られたモノということらしい。それこそスターボーが着ていたソレの方がよっぽどらしく見えたような気がしないでもないのだが。まぁ“カワイイ侵略”と謳われているくらいだからネ、この程度でご愛嬌ってことなのでしょうヨ。ただどう見てもチープなお洋服…といった風情がドヨ~ンと漂ってしまうのは否めなかったりで。ララ星ってのはあまり物資に恵まれない星なのかしらね、ナゾ。それこそモノモチ良しなワタクシメのタンスの中身拝見~!とくれば…80年代の遺物として、それらしき1枚や2枚は出てきそ~なデザインだったりで、ハジ。(笑)

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鉄のハートね、フッフ~シコふんじゃったワ最後のポーズもキマってるぅ!

でもって彼女らの頭部に目を向けてみれば…おや?インカム(コールセンターでよく使われるもの)と呼ばれる特殊型マイクが完全装備とキたもんだ!このいでたちからキララとウララはPerfumeと比較されることが多く、インカムを付けて唄った最初のアイドル!などとアチコチで記載されていたりもする。がしかし、先人というのはいるものでゴザイマシて…コスミックインベンションの森岡みまチャン(ドラム叩いて唄ってたコ|1981年)を忘れてはなりませぬぞ!ということをココでシカリと言及させていただきたく思った次第でゴザイマシて。(笑)

インカム論争はさておき…ピコピコピロピロに話を戻しまショ。そのテクノサウンドにおあつらえむきと思われる宇宙ダンス?とやらを踊り狂うおふたりさまを見るにつけ、コレは俗に言う“想定内”という言葉で片付けてしまってもよいものなのか。だってこのテクノサウンドで仁王立ち歌唱ってのもネ、ソレはソレでヘンというものでゴザイマスもの。(笑)

♪鉄のハートね Woo-Woo センチ・メタル・ボーイ
 鉄のハートね Woo-Woo センチ・メタル・ボーイ ツー・ツー!

のっけからハモリも効かせてくる…さすがはララ星からやって来た宇宙人!歌唱力に関しても人間なんぞは敵ではないワ!といった実力をチラつかせる。そしてこの部分では、タイトルを見て「センチメンタル」じゃないの?と思ってしまった人への説明も含むのか、早速ソレが誤りであることに気づかせるチラリ程度の種あかしも組み込まれている。鉄とメタルを=(イコール)で結び付けられる頭脳をお持ちの方限定!ではあるのだけれども。(笑)

でもってツッツ!って…モールス信号のつもりなんだとしたら、「UFO」のみならず「S.O.S」ともコラボっておられましたのですネ。夢を追うのは結構だけれども、なにかこうあまりに過去にとらわれ過ぎているような気がこのあたりでムンムンしてまいりましたナ。それこそ「このテの路線ならまかせとケッ!」と言わんばかり、ビクターさんのドヤ顔仕事だったのかもしれませぬが、言い換えてみれば、またしても作りあげてしまったゲ○モノ…ってコラっ!いえ、オトナとしての対応で申し上げさせていただくとすれば“80年代のピンク・レディー、颯爽と登場”くらいは言っておくべきなのだろう、おそらくは。(笑)

♪1.41421356(ヒトヨヒトヨニヒトミゴロ)一夜一夜に夢見がち
 ウツツ抜かした美少年 この世のヒトと思えない
(中略)
♪ツー・ツー・ツー・ツ トー・ツ・ツー・ツ
 胸のモールス信号 乱れ打ち
 ツー・ツー・ツー・ツ トー・ツ・ツー・ツ
 だけどあなたの心に届かない

美少年の地球外生物?もしくは地球人だけれどもこの世の人とは思えないほどの美少年?に恋してしまった少女の片思いストーリーといったものがおもなコンセプトの模様。一夜一夜に人見頃…なるフレーズ、そしてモールス信号(やはりコレか)のサウンド口三味線も入れ込み、なんとかおもしろさや奇抜さを出したい!といった陣営側の策略が見え隠れする部分か。

モールス信号をしこたま打ってこの想いを伝えようとしているのに、ちっとも伝わらないワ。鉄のように冷たいハートなのね=センチ・メタル・ボーイ…要はコレだけを訴えたいがための1曲のようでもある。おそらくはお子さま受けも当然視野に入れていたはずなので、シンプル・イズ・ザ・ベストの心意気?だけどその思惑が逆にこの作品をやや難解なモノにしてしまってるような気がするのはワタクシメだけ?

全般的にとてもおもしろい作品であり、陣営がかなり狙ってこしらえたとおぼしき感が色濃く感じられる。テクノ歌謡という分野にハメこんで作ったメロディもキャッチーであり、歌詞との絡みもユニークである。売れるか否かを度外視すれば、個人的には「好きよ」な作品として当てはまる。それこそおもしろ歌謡大賞なるものがあるのだとすれば、ソレの金賞候補くらいには入れてみたいカモと。ただ当時の風潮などを思い起こしながら考えてみると…どうよコレ。果たして「星から来た二人」というコンセプトはその当時に求められていたモノだったのだろうか?という疑問にブチあたってしまう。

イメージ 8デビュー告知用のプロモ広告。「カワイイ侵略ハジメマス」の心意気やらインタブーなどが長々と。しかもインタブー途中で(交信途絶え)━━━とか...(笑)宇宙と交信中なる様子をいかに文章で再現しようかと必死のご様子が垣間見える。陣営の方々...お疲れサマでゴザイマシタ

なぜならこの約1年後のニッポン歌謡界にはおニャン子が出現してくる。彼女らはソコラにいるごくごく普通の女の子…というコンセプトで爆発的な人気を得た。それまではきらびやかな衣装に身を包んでいたアイドル歌手たちが、質素な平服に切り替えだしたのもこの頃である。ということは、この時代にはそうした普通っぽさが求められていたのであって、地球外からやって来た女の子という…ユニバーサルで空想的、きらびやかでものめずらしいモノへの需要というのはあまりなかったのではないかと思うのである。かくいうワタクシメもキララとウララがデビューしたことはもちろん認識してはいたものの、純粋なアイドル歌手としてのソレというよりも、やはりなにかこう…イロモノ的な目線で観察してしまっていたようなキオクがあったりで。

♪鉄のハートね Woo-Woo センチ・メタル・ボーイ

ワタクシメ自身は鉄のハート持ちのセンチ・メタル・ボーイではなかったとも思うのだが、おそらくは大半のティーンが同じように感じていたことの証?本楽曲はこのハデさとテクノ歌謡のパワーで押しても、オリコンのトップ100圏外という苦々しい結果を突きつけられたのである。要はこのコンセプト…このテのものにはメタルになっていた当時のコンシューマー(消費者)たちのハートをブチ抜くことは全くできず…という結果なのではないかと考えてみたりもする。それこそ完全なる的ハズレ?弓矢のゆくえが分からなくなってしまうほどのハズしっぷりだったのカモしれない。大穴的かほりはプンプンと漂わせるチューンには違いなく、今は当時よりもウンとスキというキモチで聴ける曲なのだけれども。こうした無謀?とも思える企画に一生懸命応えたキララとウララのおふたりにも敬意を表してみたい…アナタたちは女子二人組ユニットとしては、息の合った上等の部類ですワ。歌声もフリツケも、そして最後の決めポーズだってそこそこステキでゴザイマシタから。

ただ、このケ躓きに陣営もまさかのビックリ仰天で青ざめた?キララとウララの活動は早くも暗礁にのりあげてしまうのである。シングル第2弾が出るまでに7ヶ月ものブランク、楽曲はR&R歌謡へイメチェン、ララ星から来たというコンセプトがいかされず、あれよあれよという間に見た目はケバさを増し…そして最後のおつとめはコドモ番組でのご奉仕とキたもんだ。コレは一部で評価を得たものの、やはり企画モノがケ躓くとふたたびソコに品位を持たせるのはムズかしいという悪しき見本のようなものになってしもうた、ガーン。やはり鉄は熱いうちに打たないとダメなのね、反省。(笑)

そうこうしているうちに、時代の寵児になりつつあったあのお方が…

コムロなるお城のホトリ

あたりでみそめたのかどうかは一切合財のナゾだけんど…キララさんとケコーン!なんて、胸のモールス信号が乱れ打ち(←一部のアイドルマニアのみ?)になるよな、驚嘆ニュースもご提供してくださいマシタけれどもネ。(笑)

☆作品データ
作詞:売野雅勇 作曲:井上大輔(1984年度作品・ビクター音楽産業)