わたしが あなたを 思い出すように

あなたが わたしを 思い出すことはあるだろうか

思い出のなかのわたしは

笑っているの
塞いでいるの
怒っている
それとも、悲しんでいるの?

どの わたしでも いいんだ

思い出してくれるのなら…






小学校3、4年の頃だったと思う
授業参観に 思いがけず父が現れた

その日 父は白いケーブルニットを着ていたの
田舎の小学校でね
白いニットを着て来る父親なんて
いなかったから

2割増しくらい
格好よく見えたんだ笑笑

友だちがうちに遊びに来ると
父もバドミントンに混ざって
ひとり、とても上手な子がいてね
その子といつまでも打ち合いをしていたっけ


色々あって
父を憎んだ時期が長かったけれど
今は懐かしく思う



思い出を どんな風に残してる?

私は、チケットの半券や施設のパンフレット、食事したお店の箸袋など持ち帰る


父を偲ぶ品は 手もとに何もない
あるのは記憶だけになってしまった
それは淋しいようで


いちばんの供養かもしれない





*喪失するためには所有が必要で
すくなくとも確かにここにあったと 疑いもなく思える心持ちが必要です*
江國香織/号泣する準備はできていた