ななななんとですね、桔梗と向日葵 繁原おん様よりそそ創作を!創作を頂いてしまいましたっ!

しかもキリバンとかじゃないんですよこれ!私の我侭でCPまで聞いてくださって!!

もう感涙です>< 昨日はPCの前で上半身小躍りしてしまいました!!!(ヤメロ)

本当にすごいお上手なんですよ!もうこんなとこに置くの失礼な位ですから!!

でも置きますv置いてしまいますv

皆様ぜひぜひご覧ください。本当に素敵な小説ですので。

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「たいせつの理由」 

 

弁慶が九郎に呼ばれるときは決まって戦のことだ。
 
しかし、
 
「話がある」
 
そう言った九郎は、なんともいいがたい表情をしていて、
「どうしました?」と穏やかな笑顔を作りながらも
弁慶はその真意を量りかねていた。
 
「こんなこと、わざわざ言うことでもないのはわかっているが」
 
そう前置きした九郎は、これから戦が激しくなること、いろいろと覚悟がいるということを弁慶に説いた。
いまさらわかっていることばかりなのだが、なぜ九郎がそこまで、まるで弁慶がそのことを知らないかのようにいうのには一つだけ、思い当たる節があった。
こういうときでも、九郎は不器用だと思うと弁慶はおかしくなる。
いつもならまっすぐに言うはずの九郎が、
気を遣っているのだ。
いつもなら
 
「望美を何とかしろ!」
 
と言ったであろう。
しかし、
こうして回りくどく、
まだ九郎の話は核心に足を向けてすらいない。
 
「だから…その…」
 
そこまで言わせて、弁慶は微笑んだ。
 
「九郎の言いたいことはわかります。……望美さん、ですね」
 
九郎は面食らった顔をして
「やはり弁慶だな」と一瞬笑った。
 
「お前を慕っていることくらい、俺にだってわかる。だから…」
「答えを、出せ、と?」
 
九郎は頷いた。
 
弁慶は諦めたように息をついた。
 
「そうです、ね」
 
源氏の士気のためにもそうせねばならないと九郎に伝える。
九郎は元の表情に戻って「頼んだぞ」と言い、傍を離れた。
 
 
 
 
「さて、どうしたものか…」
 
弁慶だってわかっていた。
望美が自分を気に掛けることも、それを隠そうとしていることも。
おそらく、間違いないと思うのだが、彼女は弁慶の性格を知っている。
だから、自らの感情に知らぬふりをするのだ。
だが、
そうすればするほど周りに知れるということに彼女は気付いていない。
一方、弁慶自身の気持ちは、というと。
 
わからない。
と言うのが正直なところだった。
もう、素直な感情を持つということがどういうことか、
何を以って「本当の気持ち」というのか
よくわからない。
怒っているときも、冷たく静かな部分を持っていることを自覚しているし
笑っているときも、なぜ笑うのかを今笑い止んでは説明することができる。無論、恋など、したことはない。
 
物心ついたときにはすでに己を省察する術を持っていた。
彼には、例えば恋のような、どうにもならない気持ちなど存在しない。
 
望美は大切だと思う。
その思いはさすがに疑っていない。
だが、その「大切」は、いったいどの「大切」なのか、
 
おそらく、彼女が「白龍の神子」だからだと思う。
いつか彼女が元の世界に帰ったら、
もう、彼女のことは忘れるのだろうと。
 
 
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陣に戻ってみれば、不可解なことが起こっていた。
 
望美の〈人〉が変わっていた。
すこし、しとやかな、
本当にほんのすこしだが。
 
だが、八葉も含めて、多くの者がそのことに気付いていない。
気付いたのは、白龍とリズヴァーンと、今戻った弁慶。
譲と朔は「すこしおかしい」と思っているようだが。
 
白龍は、動揺しているらしく、リズヴァーンに望美から離されていた。
当の望美は、いたって普通に陣のものと話をしているのだが、
弁慶を見つけると、まっすぐにやってきた。
弁慶はそれを見とめるとその場に立ち止まる。
 
そして、皆からすこし離れた――弁慶が立ち止まった、その場所で対面したとき、
望美は静かに言った。
 
「お会いしとうございました、弁慶様」
 
弁慶は静かに眼を閉じた。
やがてゆっくり目を開ける。
「すみません。僕は…あなたに逢った記憶がないのですが…」
 
すると、望美は悲しそうに目を伏せた。
 
「そう、でございますね…。この姿では、わかっていただけない。しかし…」
「望美さんの意識に入り込んだのですね、あなたは…」
「望美さん、とおっしゃるのですね。この方は、私の気持ちをわかってくれました。だから、しばしお借りしたのです」
「望美さんが承知の上で、なのですね」
「はい…」
弁慶は「そうですか」といった。
「それで…あなたの願いは? 僕にできることなら伺いましょう」
 
彼女はぽつりと言った。
「ただ、1日、1日あなた様と共にいたいのです」
 
 
 
弁慶は、八葉たちに、望美の様子がおかしいので、すこし治療が必要だと言い、1日連れ出すことを申し出た。
無論、それは言い訳で、彼女の願いをかなえるためだったのだが。
指揮を執る九郎と望美の変化に気付いたリズヴァーンには事情を告げておいた。
九郎は表向き治療と言うことで外出を許可し、二人は陣の外の、里人たちが行くという丘に登ることにした。
 
 
 
 
道すがら、女は弁慶に自分が弁慶を慕うようになった経緯を話した。
まだ、弁慶が六波羅に出入りしていたころ。
女はそこの女房の一人だったという。
密かに慕わしく思うようになったのだが、自らはその後病に伏してしまったのだと。
 
「願ったのです」
 
女は言った。
 
「病になれば、弁慶様が診てくださる、と」
 
しかし、弁慶が一女房のもとに遣わされるはずもなく、
それだけではなく、そもそも弁慶が六波羅に出入りすることもなくなった。
単なる偶然なのだが、それが女には無念に思われた。
 
「ただ一度、もう一度お会いしたかった」
 
弁慶は、それは光栄です、とにっこり微笑んだ。
これが、本当の望美なら「もー、弁慶さんたらまたそーやってー!」と頬を染めながら、しかし抗議をするのだが、
女はただうれしそうに微笑むだけだった。
 
「お変わりなく、弁慶様は私のようなものにもお優しい」
 
 
弁慶は静かな微笑を浮かべて「そうですか?」と言う。女はうれしそうに「はい」という。それを見ながら、弁慶は、やはり、と思った。
やはり、望美ではないのだと。
望美はこんなとき静かな微笑を返す弁慶を優しいとは言わないだろう。
きっと
「どうして弁慶さんはそんなに悲しそうなんですか?」と
切なそうにするだろう。
望美は弁慶の微笑まで細かく分類する。
目の前にいるのは望美なのに、望美に見えなくなっていくのがわかった。
 
 
頂に着くと、女はかぜにそよがれながら
 
「風と言うのは気持ちの良いものですね」と言った。
女房とは言え、こうして外へ出ることは少なかったのだろう。
本当にうれしそうに見える。
良い事をしているとおもうのに、弁慶はそれが本心ではないことがわかる。
なにか、よかった、と思えぬものが。
 
「私…」
 
女は、その空に吸い込まれるようにして言う
 
「このまま弁慶様と共にいとうございます」
 
 
弁慶は、さっきとは別の意味で「やはり」と思った。
 
「一日だけ、というお約束ですが…?」
 
笑みを絶やさないように言うと、
「でも…」と女は悲しげにうつむいた。
 
「望美さん、は、私に同情してくださいました。この方ならわかってくださる」
 
完全にのっとるつもりなのだと、弁慶は思った。
望美は、この霊に同調してしまったのだろう。
ゆえに、今力は女の制御の下にある。
そして、いずれ望美は帰ってこなくなる。
 
弁慶は、はっとした。
 
「弁慶様。心配は要りません。意識が変わるだけでございます。この方の力も、能力もすべて変わりはしません。「白龍の神子」としてあなた様のお役には立てるはずでございます」
そんなふうに女が言ったとき、それは嘘ではないのだろうとは思うが、そうあってはいけないと思ったのだ。
倫理観ではない。
もともとそんなものを無心に信じるほど無垢ではなくなっている。
そうではなく。
 
 
「あなたの、お名前は」
弁慶は呟いた。
女は、「呼んでくださるのですか」と前置きをして
 
「白梅と」
 
と言った。
「では、白梅さん、僕は〈あなた〉にはお会いしたいと思います。望美さんの姿ではなく」
 
そうでしょう? と弁慶は言った。
 
「望美さんの姿では、僕は、あなたに逢った気がしません」
 
ね、と微笑むと、女はぼんやりと弁慶を見た。
 
 
「しかし」
「後世が、あるではありませんか。あなたは死してなお、僕を探し、こんな危険を冒して逢いにきてくれた。ならば、後世で逢うこともできましょう」
 
女は、それをうれしそうに聞いていた。
目を伏せる。
 
「そう、でございますね。弁慶様がおっしゃるなら」
 
そして、言う。
 
「弁慶様に、望美さんをお返ししなくては」
 
空を見上げ、それから、弁慶に微笑みかけた。
 
「弁慶様がどれほど望美さんを大切に思われているか、すこし、いえ、とても残念でございますが…」
 
弁慶は、「わかってしまいましたか」と笑った。
「そうですね。僕は今、望美さんを守らねばなりません。あなたは強い。僕を探して黄泉を抜け出すほどに。だから、その強さを持って、向こうでもうすこし待ってて下さいね。後世でまたお会いしましょう」
女もふふ、と笑って「では、唐菓子でもご用意しておりますわ」と言った。
 
「僕たちはよい友人になれますよ」
 
という弁慶に女はすこし悲しそうに「えぇ」と言って、また空を見た。
 
「……行きます」
 
 
弁慶が「お元気で、というのは変ですが…」というと
 
女は微笑んで、望美の体から黄色いオーラが立った。
 
それを見た弁慶は「間に合いましたか…」と呟いた。
 
そして、
 
 
「…あれ?」
 
ぼんやりしていた望美が、その声で辺りを見渡した。
 
「帰ってきて、くれましたね」
 
望美が、しばらく弁慶を見て「あ」という。
 
「あの人…」
「帰りましたよ。そして、君も帰ってきてくれた」
まだ、いまいち感覚がつかめていない望美が、ふわりと弁慶に抱き寄せられた。
 
「え?」
 
弁慶らしくない、そんな気がした。
望美の頭上で、弁慶は「僕らしく、ないでしょう?」と呟いた。
 
「本当に、心配しました…。そして…」
 
望美が瞬きを2度したとき、弁慶は独り言のように言った。
「君は君だから、大切なのだと、わかりました」
 
望美は事情がよくつかめないのだが、たしかにいつもの弁慶ではないような気がした。
「えと…」
 
そんなことくらいしか言えない望美に、弁慶はもう一言付け加える。
「望美さんの、気持ちも聞いてみたいですね」
顔を上げれば、いつもの弁慶だった。
「・・・あ。もしかして・・・」
望美は瞬時に真っ赤になる。
「いやっ、あの、弁慶さんの迷惑になるから、だから、えとっ」
 
すると弁慶はおもしろそうにくすくすと笑っている。
 
「別に、迷惑なんかではありませんよ。むしろ。光栄です」
 
しかし、笑っている。
 
「もー、弁慶さん、乙女心をもてあそんでー!」
ぶーとふくれる望美に弁慶は、
 
「とんでもない」
 
とまた楽しそうに笑った。
 

 

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本当に本当に本当にっ有難うございました。

ブログはログが流れてしまうので残念です、一応テーマ分けしましたが、

もうなんか永遠にトップに飾っときたい位です。

初!宝物(最後かもしれない最後かもしれない・涙)ですね///

大切に大切に何度も読み返したいと思いますv

 

文の構成といいますか、流れといいますか、

人物の心の変化がとても上手に書かれていて、感嘆のため息ばかりです。

私も精進して(いつも言ってる)恥ずかしくないものを書けるようになりたいなぁと改めて思いました。

繁原おん様、本当に素敵創作を有難うございました!!!