そう言って連想するものがある人は、迷わす『ガラスの仮面』を思い出していると思う。
私も例に漏れず、その一人。
だったけれど、最近、違うものを連想出来るようになった。
その紫の薔薇は、白金付近に咲いている。
桜田通りと目黒通りの分岐している場所にある、綺麗なマンションの通り沿い。
建物の前面を覆うように、藤色に近い色をした可憐な花びらをつけた花が咲きそろっている。
いつか、陽の明るいうちに写真に収めたいと思いながら、六月ももう終わり。
仕事の帰りに、明るい時間を望むのは残念ながら無理だった。
花の数は次第に減り、色味も褪せていく。
でも、その移ろいをこの目で見て、感じたものは私に残る。
だからまぁ、何度も振り返って写真が見られなかったとしても、それなりの楽しみ方が出来て良かったなって。
これからは紫の薔薇と聞いたら、この気持ちを思い出せるんだと思って、一人得した気分になった帰り道。