お天気に誘われて、散歩に出掛けた。
地元の商店街を抜けて、坂の上から裏道に入るとインターナショナルスクールがある。
小さい頃に歩いたときに感じていた不思議な空気は、今でも同じ。
昔は気付かなかったけれど、今なら分かることがある。
私の感じていた不思議な空気は、どこかしら日本とは違うものがあるからこそ、感じるものだということ。
インターナショナルスクールの横を通り抜けて、
昔の大物政治家が住んでいた邸宅の跡地を横目に見て、
グラウンドやテニスコート、恩賜財団の病院に並ぶ道を歩いて、
小さな横断歩道を越えると私が育った場所に出る。
私が住んでいた家は、周囲の家と共に土地ごと買収されて既に無くなっている。
引越をしてから長いこと更地になっていて、
一時期はコインパーキングになっていて、
今は土地ごと整備された、綺麗なマンションの立ち並ぶ場所になっている。
病院の前の横断歩道を渡った先にあった、子どもには深すぎるほどの石造りで大きな階段が無くなっていた。
代わりに、道全体が緩やかなスロープ状になっている。
すっかり姿を変えた場所を目に焼き付けて、駅に向かう裏道に一歩入った。
そしたら。
そこには、私が育ったときと変わらない風景があった。
目の前の懐かしい風景と、
背後の真新しい景観。
あまりに違っていて、奇妙な感じがした。
これは、東京の真ん中、
麻布で起きた小さな驚き。
