誰ぞ知る 汝が恋ひ焦がる 夢のひと | ・・ 夢と現の朧なる ・・
月のある間に かかる通ひ路





贈り物をした。

その人が好きなのか、ただ仲良くなりたいだけなのか、分からない。

ただ、『おめでとう』と言いながら贈り物をした。


櫛 だった。


髪を梳いて欲しい。

渡した相手は髪が短くて、到底、梳くような髪型ではないのに。

渡した後で、恥ずかしさが湧き上がった。







私の髪を梳くための、




だとしたら、それは告白。

私の髪を梳いてください。

あなたの手で。

あなたの指で。



だけど、あなたはだぁれ?



気付いた時には、いつも手遅れになった後。

今日の夢は、そこでおしまい。


私が櫛を渡したひと。

ためらいなく、受け取るひと。



夢の中だけ、会えるひと。