今日はワンコの記事ではありません。

私の心の修復のために書かせてください。




先日も夜勤でした。

久しぶりにナースコールもなく、静かに朝を迎えました。



朝の5時少し前に処置があるので準備をして、いつも通りに動き始めました。

処置が一通り済んで洗い物をしていたら職員が飛び込んで来ました。



「すみません!Aさんがチアノーゼ出ています!」

Aさんはチアノーゼが出るような持病はありません。

痰が詰まったのか。

聴診器とナースバッグを持って走りました。



部屋に入って一目見た瞬間に「これは心肺停止してる」とわかりました。

唇も指先も真っ白でした。



聴診器で心音も呼吸音も聞こえません。

呼びかけにも反応しません。



すぐに心臓マッサージを開始して、職員にAEDを持ってきてもらいました。

他の職員にも応援を頼みました。



救急車を呼んで、職員に心臓マッサージを代わってもらい、アンビューバックを取りに走り、すぐに開始しました。

痰が詰まっているかもしれず、吸引もやってみました。



AEDは規則的に「解析します。離れてください。」と告げてきます。

けれどAEDは作動しません。

「心臓マッサージを続けてください」と言うばかりです。

それはどういうことかと言うと完全に心停止している、電気ショックはやらないということです。



とにかく必死で心臓マッサージとアンビューバックを押していました。

「Aさん!戻っておいで!」

「Aさん!」



救急隊が到着して、気管内挿管、血管確保と次々処置されていきます。

救急隊が持ってきたAEDに付け直されてもやはり電気ショックは起こりません。



近くの大学病院に搬送されましたが、お昼頃、治療のかいなく旅立たれました。




施設で心肺停止になったので、所轄の警察に届出しなくてはなりません。

夕方、刑事さんから事情聴取されました。

もちろん、殺人事件の取り調べとは違いますので、穏やかに色々質問されただけです。



全てが済んだところで足が震えました。

私のとった行動は正しかったのか。

他に何か方法はなかったのか。



病院だったらすぐ気管内挿管できた、すぐにルート確保できた、薬も沢山あった。

でも、施設には何も無い。

医者もいない。

すごい無力感だった。


さっちゃんは「医者もいない、機械もない所でできることは限られている。他にないよ。」って言ってくれたけれど。

まだ、心臓マッサージの感触が残ってる。




私より、若い職員の引きつった表情が心配。

救急車に乗って行かねばならず、不安そうだった。

おそらく人の死、しかもこういう場面の死に直面したのは初めてなんだと思う。

職員のブリーフケアもしないといけない。



これから色々動かないといけない。




私の足の上で寝る ゆずぽんに癒されてます。

お母さん、頑張るよ。