最新の研究によると、ウサギの耳に似た触手を持つ広義のウミウシ類の一種であるアメフラシは、体液をうまく調合して天敵であるロブスター(Spiny lobster)の攻撃を阻止するという この海生無脊椎動物は、襲われると2つの化学分泌液を生成する。インクのような液体と「オパリン(opaline)」と呼ばれる乳白色の混合物質である。アメフラシは、2つの化合液を混合し、すぐさま煙幕を噴射する。この混合分泌液の反応により、副産物として過酸化水素が生成される。過酸化水素は人間が殺菌剤として広く使用しているものだ。





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 一見したところ、この混合分泌液はアメフラシがロブスターから逃げるための煙幕を作るだけのように見える。しかし、最新の研究によると、化学反応の影響により、ロブスターは不安そうな行動を示すようになり、アメフラシを捕食することができなくなるという。


 この海生無脊椎動物は、襲われると2つの化学分泌液を生成する。インクのような液体と「オパリン(opaline)」と呼ばれる乳白色の混合物質である。アメフラシは、2つの化合液を混合し、すぐさま煙幕を噴射する。この混合分泌液の反応により、副産物として過酸化水素が生成される。過酸化水素は人間が殺菌剤として広く使用しているものだ。

  研究チームの代表でアトランタにあるジョージア州立大学のフアン・アッジョ氏は「アメフラシの分泌液は信じられないほど複雑で、防御目的に使用されることが判明した。しかし、個々の分泌液がどのような役割を担っているのか、具体的にどのような機能を果たしているのかは、まだわかっていない」と語る。

 アッジョ氏と共同研究者で同じくジョージア州立大学のチャールズ・ダービー氏は、水槽にロブスターを入れ、エビをすりつぶしたジュースを投入してロブスターの食欲を刺激した。次に、ロブスターのいる水槽に、インク、オパリン、過酸化水素という3つの化合物を1つずつ投入した。インク単独では、ロブスターの行動に対する影響はほとんどなかった。しかし、オパリンと過酸化水素を投入すると、ロブスターは口器をこすり、尾を振り出した。この行動は不安を感じたときや危険から逃れたいときに行うものとされている。

 さらに研究チームは、3つの化合物のうち1つを混入したエビをロブスターに与えた。インクを混入した場合と過酸化水素を混入した場合には、食べるまでに通常のエビよりも大幅に時間がかかっていた。「過酸化水素は殺菌剤だが、それ自体に特別な効果があるとは思っていなかった。ほかの化合物と組み合わせなければ、このような劇的な反応はないだろうと想像していた」とアッジョ氏は語る。また、オパリンを混入したエビの場合には、ロブスターはすぐに吐き出したという。